スペインにおける訴訟前のADR手続

スペインのADR義務化:訴訟要件としてのMASC、施行から1年

組織法1/2025号「司法公共サービスの効率化に関する措置」の施行、そして一定の民事・商事手続において、スペインのADR義務化にあたる適切な紛争解決手段(MASC)が訴訟要件として広く導入されてから1年余りが経過し、その運用を具体化する基準が裁判実務においても示され始めています。

もっとも、完全に統一され、一貫し、定着した基準が存在すると断言するには、まだあまりにも時期尚早です。

MASCの運用には依然として裁判所間で大きな差異が見られ、その進め方と立証には細心の注意が求められます。

以下では、その実務上の運用において生じている主な論点と、施行から1年以上を経てスペインの裁判所で形成されつつある基準について分析します。

問題の所在

MASCは、紛争の裁判外での解決を促進して訴訟件数を減らし、裁判所への提訴があらゆる場合において当事者の第一の選択肢とならないようにする、という明確な目的のもとに導入されました。

しかし、これを訴訟要件として位置づけたことで、逆の効果が生じるおそれがあります。すなわち、一定の場合には、事前の交渉の試みを立証しなければならないという要件が、実効的司法保護へのアクセスに対する追加的な形式上の負担となってしまうのです。とりわけ、合意に至る真の意思が存在しない場合に、この傾向は顕著です。

裁判所における問題:判断基準のばらつき

最大の問題は、裁判所間の判断基準のばらつきにあります。ある裁判所では十分な交渉の試みとみなされるものが、別の裁判所では補正命令の対象となることがあります。同様に、試みの立証方法についても、ある司法管轄区では十分とされる一方、別の管轄区では疑問視されることがあります。

施行後の最初の数か月間、このばらつきにより、実務家は特に慎重な対応を迫られてきました。同様の状況で他の裁判所がすでに認めたMASCであっても、管轄裁判所がそれをどのように評価するかが不透明だからです。

その結果生じているのが法的不安定性です。本来は実体的な問題であるはずの事項、すなわち紛争の裁判外解決に向けた現実かつ立証可能な試みがあったか否かという問題が、手続上の問題へと移し替えられてしまうおそれがあります。

時間的コスト

MASCの事前手続期間を示すカレンダー

形式主義の多さは、効率的とは言い難いものです。事前にMASCを経なければならないという要件は、時間の面でも影響を及ぼしています。

2025年4月以前であれば直ちに訴訟手続に移行できた事案も、現在では事前段階を経る必要があり、手続の開始までに30日から90日が加わる可能性があります。しかも、すべての事案において交渉への実質的な意思が存在するとは限りません。

要件は形式的には満たされても、法が目指す目的、すなわち合意によって訴訟を回避するという目的が常に達成されるわけではありません。

2026年1月に公表されたある調査によれば、回答した実務家の90%がこれらの要件によって手続が遅延していると考えており、迅速化を実感していたのはわずか4.3%にとどまりました。

公式な基準の欠如

これに加えて、MASCが訴訟件数や手続期間に与える実際の影響を評価できる公式データは、いまだ限られています。

同じ調査によれば、統一的な基準があると感じていた弁護士はわずか4%であったのに対し、71%がその運用は著しくばらついていると考えていました。

結論は明らかです。改正が目指した効率性は、現在のところ、手続上の不確実性と併存しているのです。

現時点で確実に言えること

施行から1年が経過し、前述のようなさまざまな問題があるにもかかわらず、法の運用を通じて、当初の形式主義を是正する一貫した基準が複数の県控訴裁判所(Audiencia Provincial)で示されつつあります。

例えば、補正可能な瑕疵についてです。交渉の試みがまったく行われていなかった場合、その瑕疵は補正不能となり得ます。しかし、試み自体は行われており、問題がもっぱらその立証にある場合には、スペイン民事訴訟法(LEC)第231条に基づく補正の余地が認められる傾向にあり、形式上の瑕疵が直ちに訴えの却下につながることは避けられています。

用いる手段についても、柔軟な解釈が定着しつつあるようです。ビュロファックス(内容証明付き通信)に独占的な地位があるわけではなく、当事者の身元、内容、日付および通知の受領を確実に立証できる手段であれば、電子メールやSMSを含め、いずれも用いることができます。

MASCにおけるビュロファックスの送付

また、相手方から回答がなかったとしても、通知が適切に送付されていれば、試みが行われたものとみなされる可能性は否定されません。一方、LEC第264条4項に基づく宣誓申述書は、あらゆる連絡手段が真に不明である場合に限って用いるべきものです。

結局のところ、重要なのは用いた媒体ではなく、通知が確かな記録を残し、当事者間で通常用いられている経路、または合意された経路に宛てて送られていることです。

当事務所の取り組み

MASCを適切に活用し立証できるかどうかは、訴えが受理されるか否かを左右し得るため、案件の当初から訴訟戦略に組み込む必要があります。

ナバロ・ジマ法律事務所では、MASCの動向と各裁判所が適用する基準を常に最新の状態で把握し、個々の案件に応じてその進め方を調整しています。

当事務所は、MASCを単なる形式的要件としてではなく、依頼者の手続上の立場を決して疎かにすることなく、実効的な裁判外解決を図るための手段として捉えています。法的に可能な場合には合意に至る可能性を最大限に高めて訴訟を回避することを目指すと同時に、必要な場合に備えて訴訟手続の準備も並行して進めています。

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