スペインにおける取締役の責任:背任行為に対し株主はどう対処すべきか
会社を経営する者が自らの利益のために会社を運営しているのではないかと株主が疑う場合、行動を起こす前に、スペインにおける取締役の責任に関して三つの問題を整理する必要があります。第一に、その事実が背任罪(administración desleal)に該当するのか、それとも会社法上の義務違反にとどまるのかという点です。第二に、誰が対応する当事者適格を有するのかという点であり、その答えは損害を被ったのが誰かによって大きく左右されます。第三に、刑事と商事のいずれの手続によるのか、そしてその選択が損害賠償請求にどのような影響を及ぼすのかという点です。 犯罪の構成要件:取締役の義務に対する重大かつ故意の違反 スペイン刑法第252条は、他人の財産を管理する権限を有する者が、その権限の行使において逸脱し、管理対象の財産に損害を与えた場合を処罰しています。最高裁判所が繰り返し述べてきたとおり(2018年最高裁判所決定第285号、ECLI:ES:TS:2018:2185A)、本罪が非難するのは、取締役と管理対象の財産とを結ぶ忠実と信頼の絆を断ち切る行為です。そのため、取締役が広範かつ撤回されていない権限を有していることは問題になりません。その権限を不誠実に行使して本人に損害を与えれば、構成要件に該当します。2015年組織法第1号以降、本罪は一般的な財産犯となり、誰もが被害者となり得るものであって、旧第295条のように会社の領域に限定されるものではなくなりました。 最高裁判所の判例は、本罪を三つの要素に分解しています。 法律、公的機関または法律行為に由来する、他人の財産に対する管理権限を有すること。 その権限の行使において逸脱すること。 財産上の損害を生じさせること。 本罪の実行行為の核心は、「逸脱する」(excederse)という動詞にあります。2023年10月5日最高裁判所判決第735号(ECLI:ES:TS:2023:4012)は、第252条が廃止された旧第295条よりも包括的な表現を用いていることを指摘しています。そのため、取締役の違法性は、有する権限を不当に行使する場合に限らず、有しない権限を行使して管理対象の財産に損害を与える場合にも認められます。これにより、権限の濫用と権限の踰越の双方が含まれ、さらに同法廷の判例における定式によれば、委ねられた管理において求められる注意をもって行動しないことも含まれます。これらの場合、取締役は自らの義務に違反し、管理対象の財産の利益に反して行動していることになります。 他方、損害は、必ずしも財産の実際の減少である必要はありません。保証人的地位にある者が、求められていた取引を行わなかったという不作為による逸失利益であっても足ります。 商事上の違法行為との違いは何か 単なる商事上の違法行為との境界を理解するには、客観的には、刑法上の構成要件がスペイン資本会社法(LSC)第236条の民事上の違法行為と非常によく似ていることを想起しておく必要があります。いずれも、役職上の義務違反に帰責される損害を要件としています。違いは主観的要素にあります。本罪は故意を必要としますが、未必の故意で足ります。経営判断原則によって保護される決定、注意義務の故意によらない違反、および過失による忠実義務違反は、損害賠償義務を妨げるものではないものの、構成要件の対象外となります。刑法学説の多数は、会社法上の違法性は必要条件ではあるが十分条件ではなく、刑事上の判断は最も重大な違反にのみ処罰を限定するふるいとして機能すると解しています。 取締役が違反する義務 不誠実さを特定するには、法定の義務から出発するのが有益です。LSC第225条は秩序ある事業者(ordenado empresario)としての注意を求めており、これには実際に職務を遂行すること、監視・監督すること、そして情報を収集することが含まれます。LSC第227条は、忠実な代理人としての忠実さをもって、誠実に、かつ会社の最善の利益のために職務を遂行することを求めています。同条第2項は重要な帰結を加えています。忠実義務の違反は、会社財産に生じた損害を賠償する義務だけでなく、取締役が得た不当利得を会社に返還する義務も生じさせます。LSC第228条は忠実義務に基づく基本的な義務を具体化しており、その中には次のものがあります。 付与された目的以外の目的で権限を行使しないこと。 取締役本人または関係者が利益相反を有する決定に参加しないこと。 会社の利益と相反する状況を回避するために必要な措置を講じること。 さらに、LSC第226条は経営上の裁量を保護しています。取締役が、誠実に、当該事項について個人的な利害を有することなく、十分な情報に基づき、適切な意思決定手続に従って行動した場合には、注意義務の基準は満たされたものとみなされます。ただし、この保護は、他の取締役および関係者に個人的に影響を及ぼす決定や、第230条に定める取引には及びません。したがって、不誠実さを主張する者は、まさにその個人的な利害や利益相反を探す必要があります。 構成要件に該当する行為 正当な理由のない会社資金の処分。 最高裁判所は、取締役と個人的につながりのある会社への支払いがある場合に、対価を裏付ける書類がないことを違法性の中核的な証拠と評価してきました。2024年最高裁判所判決第1112号(ECLI:ES:TS:2024:6073)は、銀行口座間の資金移動が書類によって立証され、被告人が資金の使途を説明できない場合には、領得の意思以外に説明の余地はないと判示しています。 自己取引と利益相反。 役務の提供が実在する場合であっても、取締役が株主または権限ある機関の認識も承認もないまま自らに取引を発注すれば、その支払いは不誠実なものとなり得ます。2025年3月20日最高裁判所判決第449号(ECLI:ES:TS:2025:1169)は非常に示唆に富む適用例を示しており、利益相反を株主総会に開示することなく、自らのグループに属する他社との間で会社のための役務契約を締結した取締役は、それ自体で忠実義務に違反すると判示しました。開示は明示的になされなければならず、その契約において会社の利益が優先されたか否かという事後的な検討とは無関係だからです。 事業機会の流用。 同判決は、会社が所有するアパートメントの稼働管理を、取締役と関係があり、かつ競合関係にある会社に委託したことによる逸失利益を賠償すべき損害と認め、これを推計により算定しました。裁判所は、顧客の移転について直接の証拠はないことを認めつつも、関係会社の売上が増加する一方で、管理対象である会社の売上がこれほど大きく落ち込んだことを重視しました。 株主に対する隠蔽。 2024年最高裁判所判決第189号(ECLI:ES:TS:2024:1170)は、取締役が請求書を用いて工事を仮装し、株主による監視を妨げるために年次計算書類を商業登記所に寄託せず、株主総会の決議を一切得なかった事案を扱っています。こうした隠蔽行為は、違法性の認識を示すものであるため、嫌疑を強める方向に働きます。 横領罪との境界 刑法第252条と第253条とを区別する決定的な基準は、「後戻りできない地点」です。処分が濫用的であっても、資金を戻す意図をもってなされた場合には、その意図が後に挫折したとしても背任罪が成立します。これに対し、処分が確定的であり、自己または第三者の財産に組み入れられた場合には横領罪(apropiación indebida)が成立します(2016年最高裁判所判決第700号、ECLI:ES:TS:2016:3975、および同第962号、ECLI:ES:TS:2016:5825)。現在では法定刑が同等とされていることから、2024年最高裁判所判決第1112号(ECLI:ES:TS:2024:6073)は、択一関係の原則はその実際上の意義を失い、両罪は同心円のような関係にあると述べています。2022年最高裁判所判決第117号(ECLI:ES:TS:2022:435)は、資金を補填できると信じて流用したとしても故意は否定されず、個人的な利得の立証も必要ないと付け加えています。2024年最高裁判所判決第768号(ECLI:ES:TS:2024:4354)は、資金の最終的な行き先が不明であっても構成要件該当性は失われないことを確認しています。 注意:それだけでは足りないこと 2025年11月12日バルセロナ第2商事裁判所判決第240号(ECLI:ES:JM:2025:205)は、経営成績がマイナスであることはそれ自体違法ではなく、第三者の倒産といった外部要因に帰することのできない、取締役の具体的な行為を立証しなければならないと指摘しています。被告側が提出した一致する二つの鑑定意見は、損失の原因を子会社の倒産に求め、会計上の誤りを形式的なものと評価しました。原告は自らの鑑定意見も市場比較による証拠も提出しませんでした。同判決はさらに、多数派が経営を繰り返し承認していても訴えの途が閉ざされるわけではないものの、訴訟を提起する側により重い立証責任が課されると付け加えています。 誰が、どの手続で対応できるのか 鍵となるのは、誰が損害を被ったかです。会社が損害を被った場合、訴権を有するのは会社自身であり、少数株主には例外的な当事者適格が認められます。株主または第三者が直接損害を被った場合には、その者自身の訴権があります。 第一の手続:財産の帰属主体としての会社(刑事手続と会社による責任追及訴訟) 2023年10月25日バレアレス諸島県裁判所(第2部)判決第485号(ECLI:ES:APIB:2023:2877)は、保護法益の帰属主体である「被害者」(ofendido)と、その主体ではないものの損害を被る「被害関係者」(perjudicado)とを区別しています。その経済的な意味では株主が会社財産の最終的な帰属主体であるとしても、法的には管理対象の財産の唯一の帰属主体は会社であり、取締役は株主の財産を管理しているわけではありません。したがって、刑事訴訟法(LECrim)第109条、第109条の2および第281条、ならびに犯罪被害者の地位に関する2015年法律第4号第2条における被害者と間接的な被害を受けた第三者との区別に照らし、株主は本罪の被害者ではなく、私人訴追者(acusación particular)としての当事者適格も有しません。 商事手続においては、会社による責任追及訴訟(acción social)には、違法な行為、現実の損害および因果関係が必要であり、立証責任は原告が負います(民事訴訟法(LEC)第217条)。賠償金は株主ではなく会社に支払われます。LSC第236条第3項は、責任を事実上の取締役にも拡張しています。 第二の手続:株主または第三者による個別責任追及訴訟 LSC第236条第1項は、取締役が会社、株主および債権者に対して責任を負うことを定め、LSC第241条は、取締役の行為によって直接その利益を害された株主および第三者の損害賠償請求権を留保しています。学説は、最高裁判所の判例に従い、これを機関としての違法行為であり、会社法の枠組みに組み込まれた独自の規律をもつ不法行為責任であると説明しています。その要件は次のとおりです。 株主または債権者の財産に対する直接の侵害からなる損害であること。したがって、会社の単なる支払不能、債権の不払い、または事業の事実上の閉鎖だけでは足りません。 過失または故意による作為または不作為であること。法律または定款に反する行為が必ずしも必要なわけではなく、秩序ある事業者および忠実な代理人としての注意を怠れば足ります。 行為と損害との間に因果関係があること。......













