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会社を経営する者が自らの利益のために会社を運営しているのではないかと株主が疑う場合、行動を起こす前に、スペインにおける取締役の責任に関して三つの問題を整理する必要があります。第一に、その事実が背任罪(administración desleal)に該当するのか、それとも会社法上の義務違反にとどまるのかという点です。第二に、誰が対応する当事者適格を有するのかという点であり、その答えは損害を被ったのが誰かによって大きく左右されます。第三に、刑事と商事のいずれの手続によるのか、そしてその選択が損害賠償請求にどのような影響を及ぼすのかという点です。犯罪の構成要件:取締役の義務に対する重大かつ故意の違反スペイン刑法第252条は、他人の財産を管理する権限を有する者が、その権限の行使において逸脱し、管理対象の財産に損害を与えた場合を処罰しています。最高裁判所が繰り返し述べてきたとおり(2018年最高裁判所決定第285号、ECLI:ES:TS:2018:2185A)、本罪が非難するのは、取締役と管理対象の財産とを結ぶ忠実と信頼の絆を断ち切る行為です。そのため、取締役が広範かつ撤回されていない権限を有していることは問題になりません。その権限を不誠実に行使して本人に損害を与えれば、構成要件に該当します。2015年組織法第1号以降、本罪は一般的な財産犯となり、誰もが被害者となり得るものであって、旧第295条のように会社の領域に限定されるものではなくなりました。最高裁判所の判例は、本罪を三つの要素に分解しています。法律、公的機関または法律行為に由来する、他人の財産に対する管理権限を有すること。その権限の行使において逸脱すること。財産上の損害を生じさせること。本罪の実行行為の核心は、「逸脱する」(excederse)という動詞にあります。2023年10月5日最高裁判所判決第735号(ECLI:ES:TS:2023:4012)は、第252条が廃止された旧第295条よりも包括的な表現を用いていることを指摘しています。そのため、取締役の違法性は、有する権限を不当に行使する場合に限らず、有しない権限を行使して管理対象の財産に損害を与える場合にも認められます。これにより、権限の濫用と権限の踰越の双方が含まれ、さらに同法廷の判例における定式によれば、委ねられた管理において求められる注意をもって行動しないことも含まれます。これらの場合、取締役は自らの義務に違反し、管理対象の財産の利益に反して行動していることになります。他方、損害は、必ずしも財産の実際の減少である必要はありません。保証人的地位にある者が、求められていた取引を行わなかったという不作為による逸失利益であっても足ります。商事上の違法行為との違いは何か単なる商事上の違法行為との境界を理解するには、客観的には、刑法上の構成要件がスペイン資本会社法(LSC)第236条の民事上の違法行為と非常によく似ていることを想起しておく必要があります。いずれも、役職上の義務違反に帰責される損害を要件としています。違いは主観的要素にあります。本罪は故意を必要としますが、未必の故意で足ります。経営判断原則によって保護される決定、注意義務の故意によらない違反、および過失による忠実義務違反は、損害賠償義務を妨げるものではないものの、構成要件の対象外となります。刑法学説の多数は、会社法上の違法性は必要条件ではあるが十分条件ではなく、刑事上の判断は最も重大な違反にのみ処罰を限定するふるいとして機能すると解しています。取締役が違反する義務不誠実さを特定するには、法定の義務から出発するのが有益です。LSC第225条は秩序ある事業者(ordenado empresario)としての注意を求めており、これには実際に職務を遂行すること、監視・監督すること、そして情報を収集することが含まれます。LSC第227条は、忠実な代理人としての忠実さをもって、誠実に、かつ会社の最善の利益のために職務を遂行することを求めています。同条第2項は重要な帰結を加えています。忠実義務の違反は、会社財産に生じた損害を賠償する義務だけでなく、取締役が得た不当利得を会社に返還する義務も生じさせます。LSC第228条は忠実義務に基づく基本的な義務を具体化しており、その中には次のものがあります。付与された目的以外の目的で権限を行使しないこと。取締役本人または関係者が利益相反を有する決定に参加しないこと。会社の利益と相反する状況を回避するために必要な措置を講じること。さらに、LSC第226条は経営上の裁量を保護しています。取締役が、誠実に、当該事項について個人的な利害を有することなく、十分な情報に基づき、適切な意思決定手続に従って行動した場合には、注意義務の基準は満たされたものとみなされます。ただし、この保護は、他の取締役および関係者に個人的に影響を及ぼす決定や、第230条に定める取引には及びません。したがって、不誠実さを主張する者は、まさにその個人的な利害や利益相反を探す必要があります。構成要件に該当する行為正当な理由のない会社資金の処分。最高裁判所は、取締役と個人的につながりのある会社への支払いがある場合に、対価を裏付ける書類がないことを違法性の中核的な証拠と評価してきました。2024年最高裁判所判決第1112号(ECLI:ES:TS:2024:6073)は、銀行口座間の資金移動が書類によって立証され、被告人が資金の使途を説明できない場合には、領得の意思以外に説明の余地はないと判示しています。自己取引と利益相反。役務の提供が実在する場合であっても、取締役が株主または権限ある機関の認識も承認もないまま自らに取引を発注すれば、その支払いは不誠実なものとなり得ます。2025年3月20日最高裁判所判決第449号(ECLI:ES:TS:2025:1169)は非常に示唆に富む適用例を示しており、利益相反を株主総会に開示することなく、自らのグループに属する他社との間で会社のための役務契約を締結した取締役は、それ自体で忠実義務に違反すると判示しました。開示は明示的になされなければならず、その契約において会社の利益が優先されたか否かという事後的な検討とは無関係だからです。事業機会の流用。同判決は、会社が所有するアパートメントの稼働管理を、取締役と関係があり、かつ競合関係にある会社に委託したことによる逸失利益を賠償すべき損害と認め、これを推計により算定しました。裁判所は、顧客の移転について直接の証拠はないことを認めつつも、関係会社の売上が増加する一方で、管理対象である会社の売上がこれほど大きく落ち込んだことを重視しました。株主に対する隠蔽。2024年最高裁判所判決第189号(ECLI:ES:TS:2024:1170)は、取締役が請求書を用いて工事を仮装し、株主による監視を妨げるために年次計算書類を商業登記所に寄託せず、株主総会の決議を一切得なかった事案を扱っています。こうした隠蔽行為は、違法性の認識を示すものであるため、嫌疑を強める方向に働きます。横領罪との境界刑法第252条と第253条とを区別する決定的な基準は、「後戻りできない地点」です。処分が濫用的であっても、資金を戻す意図をもってなされた場合には、その意図が後に挫折したとしても背任罪が成立します。これに対し、処分が確定的であり、自己または第三者の財産に組み入れられた場合には横領罪(apropiación indebida)が成立します(2016年最高裁判所判決第700号、ECLI:ES:TS:2016:3975、および同第962号、ECLI:ES:TS:2016:5825)。現在では法定刑が同等とされていることから、2024年最高裁判所判決第1112号(ECLI:ES:TS:2024:6073)は、択一関係の原則はその実際上の意義を失い、両罪は同心円のような関係にあると述べています。2022年最高裁判所判決第117号(ECLI:ES:TS:2022:435)は、資金を補填できると信じて流用したとしても故意は否定されず、個人的な利得の立証も必要ないと付け加えています。2024年最高裁判所判決第768号(ECLI:ES:TS:2024:4354)は、資金の最終的な行き先が不明であっても構成要件該当性は失われないことを確認しています。注意:それだけでは足りないこと2025年11月12日バルセロナ第2商事裁判所判決第240号(ECLI:ES:JM:2025:205)は、経営成績がマイナスであることはそれ自体違法ではなく、第三者の倒産といった外部要因に帰することのできない、取締役の具体的な行為を立証しなければならないと指摘しています。被告側が提出した一致する二つの鑑定意見は、損失の原因を子会社の倒産に求め、会計上の誤りを形式的なものと評価しました。原告は自らの鑑定意見も市場比較による証拠も提出しませんでした。同判決はさらに、多数派が経営を繰り返し承認していても訴えの途が閉ざされるわけではないものの、訴訟を提起する側により重い立証責任が課されると付け加えています。誰が、どの手続で対応できるのか鍵となるのは、誰が損害を被ったかです。会社が損害を被った場合、訴権を有するのは会社自身であり、少数株主には例外的な当事者適格が認められます。株主または第三者が直接損害を被った場合には、その者自身の訴権があります。第一の手続:財産の帰属主体としての会社(刑事手続と会社による責任追及訴訟)2023年10月25日バレアレス諸島県裁判所(第2部)判決第485号(ECLI:ES:APIB:2023:2877)は、保護法益の帰属主体である「被害者」(ofendido)と、その主体ではないものの損害を被る「被害関係者」(perjudicado)とを区別しています。その経済的な意味では株主が会社財産の最終的な帰属主体であるとしても、法的には管理対象の財産の唯一の帰属主体は会社であり、取締役は株主の財産を管理しているわけではありません。したがって、刑事訴訟法(LECrim)第109条、第109条の2および第281条、ならびに犯罪被害者の地位に関する2015年法律第4号第2条における被害者と間接的な被害を受けた第三者との区別に照らし、株主は本罪の被害者ではなく、私人訴追者(acusación particular)としての当事者適格も有しません。商事手続においては、会社による責任追及訴訟(acción social)には、違法な行為、現実の損害および因果関係が必要であり、立証責任は原告が負います(民事訴訟法(LEC)第217条)。賠償金は株主ではなく会社に支払われます。LSC第236条第3項は、責任を事実上の取締役にも拡張しています。第二の手続:株主または第三者による個別責任追及訴訟LSC第236条第1項は、取締役が会社、株主および債権者に対して責任を負うことを定め、LSC第241条は、取締役の行為によって直接その利益を害された株主および第三者の損害賠償請求権を留保しています。学説は、最高裁判所の判例に従い、これを機関としての違法行為であり、会社法の枠組みに組み込まれた独自の規律をもつ不法行為責任であると説明しています。その要件は次のとおりです。株主または債権者の財産に対する直接の侵害からなる損害であること。したがって、会社の単なる支払不能、債権の不払い、または事業の事実上の閉鎖だけでは足りません。過失または故意による作為または不作為であること。法律または定款に反する行為が必ずしも必要なわけではなく、秩序ある事業者および忠実な代理人としての注意を怠れば足ります。行為と損害との間に因果関係があること。会社が被った損害の単なる反射ではない、直接の損害であること。この第四の要件こそが、会社財産の回復を目的とする会社による責任追及訴訟と、株主または第三者の財産に生じた損害を填補する個別責任追及訴訟とを区別するものです。ここから、その主な手続上の利点が導かれます。個別責任追及訴訟は、その提起、進行または結果のいずれにおいても会社の関与を一切必要とせず、当事者適格は株主でない者を含め、あらゆる者に認められます。したがって、株主総会の決議も資本要件も必要ありません。責任は、決議を採択し、または行為を行った機関の構成員の間で連帯責任となります。LSC第237条によれば、免責されるのは、関与しなかったこと、当該行為の存在を知らなかったこと、または損害を回避するために適切な措置を尽くしたか明示的に反対したことを証明した者に限られます。株主は、この限界について現実的であるべきです。背任行為の大半の事例では、損害は会社財産に生じ、持分の価値には反射的に影響するにすぎず、その場合の手続は会社による責任追及訴訟となります。判例は、会社の独立した法人格や契約の相対効に反しないよう、あらゆる義務違反について個別責任追及訴訟を無差別に適用すべきではないと強調しています。会社の契約不履行は、それ自体では取締役の責任を生じさせません。第三の手続:補完的な会社法上の訴えLSC第232条は、責任追及訴訟の提起が、取締役が忠実義務に違反して締結した行為および契約について、異議、差止め、効果の除去、および必要に応じて取消しを求める訴えの提起を妨げるものではないことを明らかにしています。これに加えて、LSC第227条第2項に基づく不当利得の返還も求めることができます。これらを損害賠償請求と組み合わせることで、有害な契約を争い、当該行為を止め、取締役が得た利益を回収することが可能になります。実務上の留意点会社による責任追及訴訟の時効期間は、提起が可能となった時から4年です(LSC第241条の2)。合議制機関の構成員間の連帯責任はLSC第237条によるものであり、刑法第116条第2項に定める従犯者の補充的責任によるものではありません。支配持分の譲渡に際して締結される権利放棄の合意は、会社による責任追及訴訟を実質的に空洞化させることがあります。こうした合意は有効であり、全株主が署名した場合には、会社による放棄と同視され得ます(LSC第238条第2項)。もっとも、2018年最高裁判所判決第316号(ECLI:ES:TS:2018:2498)は、告訴人である会社が放棄した株主とは別個の財産と利益を有していたことから、そのようには解しませんでした。何が、誰との間で合意されたのかを常に確認し、放棄が刑事告訴にまで及ぶと安易に考えないことが重要です。以上の分析は三つの点に集約されます。第一に、成功するかどうかは、取引に正当な理由や会社の利益がなかったこと、そして単なる経営上の誤りではなく故意があったことを立証できるかにかかっています。第二に、利益相反を株主総会に開示しないことは、それ自体で忠実義務違反となります。第三に、どの手続によるかは誰が損害を被ったかによって決まります。会社が損害を被った場合には少数株主がその名において行動する当事者適格を有し、株主または第三者が直接損害を被った場合には、株主総会を必要とせず、自らの個別責任追及訴訟を提起できます。スペインの会社の株主であり、取締役が背任罪を犯した、あるいは法定の義務に違反した可能性があるとお考えの場合には、行われた取引を分析し、入手可能な証拠を評価し、ご自身の利益を守るために最も適切な手段を見極めることが不可欠です。ご相談内容を検討し、専門的な法的助言をご提供いたしますので、info@navarrollimaabogados.com までお気軽にお問い合わせください。...

株主間契約を締結することで、放置すれば会社の運営に支障をきたしかねない問題をあらかじめ想定し、備えておくことができます。株主間紛争に関する前回の記事では、明確なルールがないと、意見の対立が生じた後にその解決がいかに難しくなるかをご説明しました。会社を設立する時点では、株主は通常、目標を共有し、事業について共通のビジョンを持っています。しかし、状況は変わり得るものです。たとえば、一方の株主は利益を再投資したいと考え、もう一方は分配を望むことがあります。また、一方が多くの責任を担うようになる一方で、もう一方が徐々に関与を減らしていくこともあります。こうした状況は、必ずしも株主間の関係が悪化していることを意味するわけではありません。しかし、その解決方法を事前に取り決めないまま対処しなければならない場合には、問題が生じます。 株主間契約で何を定めることができるか 役割、関与の程度および報酬 多くの会社では、株主は資本を拠出するだけでなく、自ら事業に従事しています。たとえば、2名の株主がそれぞれ50%ずつ出資して会社を設立し、当初の数年間は同様の条件で業務に携わっていたとします。やがて一方が責任の大部分を担うようになり、もう一方は関与を減らしていきますが、両者の持分比率は変わらないままです。事前のルールがなければ、報酬、利益の分配、あるいは経営上の判断をめぐって意見の相違が生じるおそれがあります。これを防ぐため、株主間契約では、各株主の役割と関与の程度を定め、労務に対する報酬と配当とを区別し、利益を分配するか再投資するかの基準を設けることができます。また、合意した義務に違反した場合の効果を定めておくことも可能です。これにより、業務負担をめぐる意見の相違が、会社の所有や支配をめぐる紛争へと発展することを防ぐことができます。 デッドロック解消の仕組み:株主間で合意に至らない場合 ここでも、2名の株主がそれぞれ50%を保有する会社を例に考えてみましょう。一方は利益を再投資して事業を拡大すべき時期が来たと考え、もう一方は利益の分配を望んでいます。何度協議を重ねてもどちらも譲らず、その対立が他の重要な意思決定にまで波及すれば、会社は機能不全に陥りかねません。こうした事態に備え、株主間契約では、一定の投資、新たな株主の加入、重要な資産の売却など、特別の合意を要する事項を定めることができます。また、対立を解消するための手続として、一定期間内での協議、調停、さらには独立した専門家の関与などを定めることもできます。それでも膠着状態が続く場合に備えて、持分の買取りまたは売却の仕組みや、事業の継続を可能にするその他の解決策を定めておくことができます。これらの条項では、手続がどのように開始されるのかを具体的に定める必要があります。株主が誠実に協議する旨を定めるだけでは不十分です。あわせて、適用される期限や、合意に至らなかった場合にどうなるのかも定めておかなければなりません。また、全員一致を要する事項を多くしすぎないことも重要です。当初は保護策として設けたものが、会社の通常の経営の妨げとなるおそれがあるためです。株主の離脱:事業から抜けたい株主がいる場合 創業株主の離脱は、特にその株主が代替の難しい役割を担っている場合、事業の継続に影響を及ぼすおそれがあります。後任の手配に加え、その株主の持分をどう扱うかも決める必要があります。グッドリーバー条項およびバッドリーバー条項を設けることで、離脱の理由を区別し、それぞれに異なる効果を定めることができます。グッドリーバーとは、株主間契約が正当とみなす事由によって離脱する株主をいいます。一方、バッドリーバーとは、在籍義務その他の定められた条件に違反して離脱する株主などをいいます。これらの区分は、株主間契約の中で具体的に定める必要があります。スペイン法には、あらゆる会社に自動的に適用される統一的な制度は存在しないためです。株主間契約では、誰が持分を取得できるのか、その価格をどのように算定するのか、評価額について争いがある場合にどうするのか、そしてどの期間内に譲渡を行うのかを定めることができます。離脱が生じる前に備えておくことで、不確実性が軽減され、株主構成が変わっても会社が事業を継続しやすくなります。これらの仕組みについては、当事務所のこちらの記事で詳しくご紹介しています。 持分の譲渡:誰が会社に加わることができるか 問題が、誰が会社に加入できるかという点にある場合もあります。たとえば、ある株主が自らの持分について買取りの申出を受け、第三者に売却したいと考える一方で、他の株主は競合他社の参入を避けたい、あるいは自らその持分を取得する機会を得たいと考えることがあります。株主間契約では、優先買取権その他の譲渡に関する取決めによって、こうした状況に対応することができます。また、会社全体の買収を希望する買い手が現れたものの、株主の一人が売却を望まないというケースも考えられます。このような場合には、次の二つの仕組みが有効です。タグ・アロング権(共同売却権)とは、ある株主が他の株主による売却に加わり、自らの持分も買い手に譲渡することを可能にする権利です。 ドラッグ・アロング権(強制売却権)とは、他の株主にも持分の売却を求め、一括での売却を実現することを可能にする権利です。これらの仕組みが機能するためには、行使の条件、必要な持分割合、価格および期限を定めておく必要があります。条項を正確に作成しておくことで、個々の持分譲渡が重要な取引を妨げたり、株主が想定外の立場に置かれたりする事態を防ぐことができます。 株主間契約と定款:なぜ両者の整合が必要なのか スペイン会社法上、株主間契約を締結したからといって、そのすべての条項が当然に会社に対抗できるわけではありません。スペイン資本会社法第29条(Ley de Sociedades de Capital)は、株主間で非公開とされた合意は会社に対抗できないと定めています。そのため、契約の当事者が負う義務と、求める効果に照らして適切な場合には定款にも盛り込むべきルールとを区別する必要があります。両者をあわせて検討することで、矛盾を避け、各条項が本来の目的に沿っているかを確認することができます。株主間契約と定款の関係については、こちらの記事(英語)で詳しくご説明しています。 各社の実情に応じた助言 あらゆる会社に通用する株主間契約のひな形は存在しません。創業者2名がそれぞれ50%を保有する会社と、同族会社や投資家を受け入れる会社とでは、必要とされる内容が異なります。契約書を作成する前に、会社の組織体制、各株主の期待、そして将来的に問題となり得る意思決定について分析しておくことが望ましいといえます。ナバロ・ジマ法律事務所は、20年を超える経験を有し、企業における株主間の関係の整備や、株主間紛争の予防と解決について助言を行ってまいりました。既存の株主間契約の見直しや、貴社におけるこうしたルールの導入をご検討の際は、info@navarrollimaabogados.com までお気軽にお問い合わせください。...

スペインの株主間紛争は、一般に考えられているよりもはるかに頻繁に生じており、経営危機にある企業に限らず、順調に業績を上げ、売上を伸ばし、成長している会社においても発生します。その大半は、家族、友人、あるいは同業者同士が信頼関係を基盤として設立した会社で、その信頼が崩れた場合にどうなるかを想定していなかったケースです。意見の対立が生じると、明確なルールの欠如や感情的な確執によって、経営上の単なる意見の相違が、法的・経済的な問題、さらには多くの場合、個人的な問題へと発展し、会社の事業活動を麻痺させ、企業価値を損ない、株主自身の財産までも危険にさらすことになりかねません。だからこそ、どのように対処するか、そしていつ対処するかが決定的に重要となります。紛争の原因は多岐にわたりますが、実務上は一定のパターンが繰り返される傾向にあります。事業への関与度の違い、利益配分や報酬、経営戦略に関する考え方の相違、情報不足、個人的な事情の変化などです。これらの要因は、それ自体が問題なのではありません。問題となるのは、それらを解決するための仕組みがあらかじめ用意されていない場合です。 助言は紛争が起こる前から始まります 株主間紛争を解決する最善の方法は、あらかじめそれを想定しておくことです。そのため、当事務所の助言は紛争が生じる前から始まります。最も有効な予防策は株主間契約です。株主間契約によって、当事者とその利益に応じて、対立が生じた際に法律や定款では解決できない事項を定めておくことができます。この点については来週の記事で、よくある問題と、株主間契約がそれらをどのように予防・解決するかをご紹介します。すでに紛争が生じている場合 紛争がすでに生じている場合、当事務所がまず行うのは、これまでの経緯をすべてお聞きすることです。会社はどのように設立されたのか? 株主間の関係はどのように変化してきたのか? 何が変わったのか? 現在はどのような状況にあるのか?あわせて、紛争の解決に関わる会社関係書類の分析を行います。定款や意思決定を記録した議事録など、どの紛争においても検討が欠かせない書類もあれば、紛争の種類によってのみ必要となる書類もあります。例えば、株主が会社の資金を個人的な事業や並行して営む別の事業に流用している疑いがある紛争では、会計書類の確認が必要となります。こうして、依頼者の真の利益を把握することができます。それは、単に会社から離脱することや当初の出資を回収することから、次のようなより戦略的な目的にまで及びます。経営の主導権を取り戻すこと。 会社の利益に反して行動する取締役を退任させること。 事業の継続を確保すること。双方の真の目的を把握する 株主間紛争においては、多くの場合、信頼関係の破綻が生じており、その結果、各当事者の本当の利益や目的が、恨みや確執によって隠れてしまったり、見えにくくなったりしていることが少なくありません。しかし当事務所にとっては、依頼者(そして相手方)の目的を明確にすることが非常に重要です。それによって適切な戦略を立てることができ、法的には可能であっても、依頼者が本当に必要としているものに近づかない手段を取ることを避けられるからです。加えて、別の記事で取り上げたスペインの裁判所の滞留問題も忘れてはなりません。そのため、当事務所は常に裁判所に訴える前に紛争の解決を図ることを心がけ、まずはすべての関係者との交渉から始めます。私たちの目標は、単なる意向表明にとどまらない合意を実現することです。合意を書面化します(和解契約、持分の売買、または退出に関する取決めなど)。 相手方と交渉します。 最後まで実行します(登記手続や、取引から生じうる税務上の義務への対応を含みます)。交渉がまとまらない場合 交渉がまとまらない場合には、訴訟という手段が残されており、当事務所は同じ決意をもってこれに臨みます。当事務所は会社法・商事分野の訴訟における豊富な経験を有しています。会社の決議の取消訴訟およびその効力停止の仮処分申立て、取締役に対する責任追及訴訟、株主の離脱権の行使と持分の価値の請求、さらには会社の機関が機能不全に陥り運営が不可能となった場合の裁判所による解散請求などです。 当事務所の経験 サラゴサを拠点とするナバロ・ジマ法律事務所は、スペインの株主間紛争に総合的な助言をもって取り組んでいます。会社設立時の株主間契約や定款の設計から、交渉、株主の離脱、そして必要に応じて訴訟手続に至るまで対応いたします。当事務所は、問題を分析するだけにとどまりません。法的な厳密さ、交渉力、そして法廷での経験を兼ね備え、退出合意の成立、出資の回収、あるいは株主としての権利の擁護など、依頼者が目的を達成するまで、プロセス全体を通じて依頼者に寄り添います。...

ナバロ・ジマ法律事務所は、外国企業グループへの助言を通じて、外国企業グループのスペイン子会社が、気づかないうちに会社法上の義務に違反してしまう事例を、望ましくないほど頻繁に目にしてきました。子会社が通常どおり売上を計上し、税金や従業員の給与を支払っている一方で、誰にも気づかれないまま会社法上の義務違反が積み重なっていくことは珍しくありません。ここでいうのは、通常は適切に対応されている税務や労務の義務ではなく、会社であることそのものに由来する義務、すなわち計算書類の寄託、法定帳簿の備置、商業登記の最新化、親会社との取引の文書化などです。確かに、これらの義務は日常業務の中では目に付きにくいものです。しかし、その違反は子会社の業務を停止させかねず、場合によっては取締役や親会社自身にまで責任が及ぶおそれがあります。本稿では、よく見られる問題とその影響、そして当事務所がどのようにお手伝いできるかをご紹介します。 重大な影響をもたらす4つの義務違反 年次計算書類の未寄託 スペイン法上、株主総会は事業年度末から6か月以内に年次計算書類を承認しなければならず(スペイン資本会社法〔Ley de Sociedades de Capital、以下「LSC」〕第164条)、取締役は承認後1か月以内にこれを商業登記所に寄託しなければなりません(LSC第279条)。これを怠った場合:登記簿の閉鎖 取締役の解任や委任状の撤回など、ごく限られた例外を除き、会社のいかなる決議も登記できなくなります(LSC第282条および商業登記規則第378条)。過料 遅延1年ごとに1,200ユーロから60,000ユーロの過料が科されることがあり、売上高が600万ユーロを超える場合には上限が300,000ユーロに引き上げられます(LSC第283条)。納税者番号(NIF)の取消し 4事業年度連続で計算書類が寄託されなかった場合に適用されます(勅令1065/2007号第147条)。取消し後は、銀行は会社の口座への入出金を行うことができなくなります(スペイン一般税法第6追加規定)。取締役の責任 取締役は、会社、株主および債権者に生じた損害について責任を負う可能性があります(LSC第236条および第241条)。一人会社である旨の未申告 子会社の多くは親会社が100%を保有しており、スペイン法上の一人会社(sociedad unipersonal)に該当します。この地位には固有の義務が伴いますが、見落とされがちです。申告および登記 一人会社である旨を公正証書に記載して商業登記所に登記するとともに、会社の書類、通信文および請求書にその旨を表示しなければなりません(LSC第13条)。親会社の責任 一人会社である旨を登記しないまま6か月が経過した場合、親会社は、その期間中に子会社が負った債務について、個人として無限かつ連帯して責任を負います(LSC第14条)。単独株主の決定 親会社が単独株主として行う決定は株主総会の権限の行使にあたり、親会社またはその代表者が署名した議事録に記録しなければなりません(LSC第15条)。議事録がなければ、第三者に対して決定の内容を証明する手段がありません。関連者間取引の文書化の欠如 子会社と親会社との間の取引(経営管理サービス、貸付、ロイヤルティ、物品の売買など)は、独立企業間価格で評価し(スペイン法人税法〔以下「LIS」〕第18条)、法人税法施行規則第13条から第16条に従って文書化しなければなりません。また、一定の基準額を超える場合には様式232による申告が必要です。文書が欠けている、または不十分な場合:税務上の更正 スペイン税務当局は取引の評価額を修正し、それにより生じる税額と延滞利息を請求することができます。特別な制裁 記載漏れまたは虚偽のデータ1件につき1,000ユーロ、データ群1件につき10,000ユーロ、または行われた評価額修正の15%の制裁金が科されます(LIS第18条13項)。損金不算入 マネジメント・フィーなどの支払いは、役務提供の実態を証明できない場合、損金として認められない可能性があります。取締役の任期満了と未撤回の委任状 有限責任会社(SL)では、定款で任期を定めない限り取締役の任期は無期限ですが、株式会社(SA)では任期は最長6年です(LSC第221条)。任期が満了すると、選任の効力は失われます(LSC第222条)。よく見られる問題は次のとおりです。任期満了 会社は形式上、経営機関を欠く状態となり、状況が是正されるまで決議の正式な手続きが困難になります。未登記の変更 取締役の選任および解任は、就任承諾から10日以内に登記申請しなければなりません(LSC第215条)。登記されていない事項は善意の第三者に対抗できず(スペイン商法典第21条)、有効な選任を受けずに会社を運営する者は、事実上の取締役として責任を負う可能性があります(LSC第236条3項)。未撤回の委任状 委任状の撤回が登記されるまでは、元役員が引き続き第三者に対して会社を拘束する行為を行える状態が続きます。なぜ見過ごされるのか 影響がこれほど重大であるにもかかわらず、なぜこうした義務違反がこれほど多いのでしょうか。当事務所の経験では、その原因はほぼ常に次の3つの要因の組み合わせにあります。親会社は対応済みだと考えている。通常、子会社はスペイン国内に会計や給与計算を担当するアドバイザーを抱えています。そのアドバイザーがその他の義務にも対応していると考えがちですが、実際にはそうでないことがほとんどです。 子会社側が意識していない。子会社の経営陣は事業に注力していることが多く、そもそもこうした義務の一部に対応する権限を持っていない場合もあります。さらに、継続的な法的支援を受けていないことが一般的です。 警告のサインがない。比較的早く督促される税金の未納とは異なり、会社法上の義務違反はすぐには表面化しません。たとえば計算書類の未寄託は、何かのきっかけで明るみに出るまで、静かに積み重なっていきます。問題が表面化するとき その「きっかけ」となるのは、通常、次のいずれかです。税務調査。たとえば、子会社が親会社との間で適切に文書化しないまま行ってきた取引について、スペイン税務当局が更正を行う場合です。(他のきっかけであれば影響を軽減する余地が残されていることもありますが、これは最も危険なケースです。調査開始前に取引を文書化し、すべてを是正しておかなければ、法的に著しく不利な立場に置かれるおそれがあります。) 通常の会社手続き。取締役を交代しようとした際に任期がすでに満了していたことが判明したり、準備金を原資とする増資を決議した際に登記簿が閉鎖されていたことが判明したりします。 労務上または商事上の紛争。あらゆる法的紛争において、相手方の弁護士がグループの会社法コンプライアンス体制を調査する可能性があります。義務違反が見つかれば、複数のグループ会社に連帯責任が認められやすくなるほか、少なくとも紛争における子会社の立場を弱めることになります。 経営陣の交代。新たな経営陣が子会社を引き継いだ際に、書類が見つからず、どのような決定が、なぜ行われたのかがわからないため、会社の業務や効率に支障が生じます。問題が表面化しやすいこうした局面を踏まえると、ここで取り上げた義務(その他の義務も含む)を怠ることは、子会社にとって業務面・経済面のコストを生じさせ、実質的な競争上の不利益となるといえます。 当事務所のサポート ナバロ・ジマ法律事務所は、外国企業グループのスペイン子会社に対し、会社秘書業務および会社法コンプライアンス管理を提供しています。私どもの役割は、子会社の状況を最新の状態に整え、義務の履行を継続的に維持するとともに、親会社に定期的に報告を行い、親会社の懸念事項の一つを引き受けることです。具体的には、主に次の業務を行っています。会社運営:株主総会、議事録の作成、会社の法定帳簿の備置および毎年の認証手続き。 期限管理:事前通知付きの年間義務カレンダーにより、計算書類の期限内の寄託と、任期満了前の取締役の再任を確保します。 商業登記:取締役、代理人、本店所在地または一人会社である旨の変更の登記、および実質的支配者情報の更新。 行政からの通知:会社の電子通知受信アドレスの監視と、重要な通知の速やかな転送。 親会社との関係:グループ内契約および関連者間取引に関する文書の確認。当事務所は、子会社の会計・税務・労務アドバイザーに代わるものではなく、通常その業務範囲から外れる部分をカバーします。必要に応じて、個別のご依頼によりその他のサービスをお引き受けすることや、既存のアドバイザーと連携することも可能です。これらすべてを、子会社とその経緯を熟知した一人の担当弁護士が一貫して担当し、親会社に定期的に報告するとともに、スペイン語、英語または日本語で直接対応いたします。ナバロ・ジマ法律事務所は、25年以上にわたりスペインにおける外国企業グループを支援してまいりました。貴社の子会社の現状を確認し、状況を整えるための計画をご提案いたします。info@navarrollimaabogados.com までお気軽にお問い合わせください。...

組織法1/2025号「司法公共サービスの効率化に関する措置」の施行、そして一定の民事・商事手続において、スペインのADR義務化にあたる適切な紛争解決手段(MASC)が訴訟要件として広く導入されてから1年余りが経過し、その運用を具体化する基準が裁判実務においても示され始めています。もっとも、完全に統一され、一貫し、定着した基準が存在すると断言するには、まだあまりにも時期尚早です。MASCの運用には依然として裁判所間で大きな差異が見られ、その進め方と立証には細心の注意が求められます。以下では、その実務上の運用において生じている主な論点と、施行から1年以上を経てスペインの裁判所で形成されつつある基準について分析します。 問題の所在 MASCは、紛争の裁判外での解決を促進して訴訟件数を減らし、裁判所への提訴があらゆる場合において当事者の第一の選択肢とならないようにする、という明確な目的のもとに導入されました。しかし、これを訴訟要件として位置づけたことで、逆の効果が生じるおそれがあります。すなわち、一定の場合には、事前の交渉の試みを立証しなければならないという要件が、実効的司法保護へのアクセスに対する追加的な形式上の負担となってしまうのです。とりわけ、合意に至る真の意思が存在しない場合に、この傾向は顕著です。 裁判所における問題:判断基準のばらつき 最大の問題は、裁判所間の判断基準のばらつきにあります。ある裁判所では十分な交渉の試みとみなされるものが、別の裁判所では補正命令の対象となることがあります。同様に、試みの立証方法についても、ある司法管轄区では十分とされる一方、別の管轄区では疑問視されることがあります。施行後の最初の数か月間、このばらつきにより、実務家は特に慎重な対応を迫られてきました。同様の状況で他の裁判所がすでに認めたMASCであっても、管轄裁判所がそれをどのように評価するかが不透明だからです。その結果生じているのが法的不安定性です。本来は実体的な問題であるはずの事項、すなわち紛争の裁判外解決に向けた現実かつ立証可能な試みがあったか否かという問題が、手続上の問題へと移し替えられてしまうおそれがあります。 時間的コスト形式主義の多さは、効率的とは言い難いものです。事前にMASCを経なければならないという要件は、時間の面でも影響を及ぼしています。2025年4月以前であれば直ちに訴訟手続に移行できた事案も、現在では事前段階を経る必要があり、手続の開始までに30日から90日が加わる可能性があります。しかも、すべての事案において交渉への実質的な意思が存在するとは限りません。要件は形式的には満たされても、法が目指す目的、すなわち合意によって訴訟を回避するという目的が常に達成されるわけではありません。2026年1月に公表されたある調査によれば、回答した実務家の90%がこれらの要件によって手続が遅延していると考えており、迅速化を実感していたのはわずか4.3%にとどまりました。 公式な基準の欠如 これに加えて、MASCが訴訟件数や手続期間に与える実際の影響を評価できる公式データは、いまだ限られています。同じ調査によれば、統一的な基準があると感じていた弁護士はわずか4%であったのに対し、71%がその運用は著しくばらついていると考えていました。結論は明らかです。改正が目指した効率性は、現在のところ、手続上の不確実性と併存しているのです。 現時点で確実に言えること 施行から1年が経過し、前述のようなさまざまな問題があるにもかかわらず、法の運用を通じて、当初の形式主義を是正する一貫した基準が複数の県控訴裁判所(Audiencia Provincial)で示されつつあります。例えば、補正可能な瑕疵についてです。交渉の試みがまったく行われていなかった場合、その瑕疵は補正不能となり得ます。しかし、試み自体は行われており、問題がもっぱらその立証にある場合には、スペイン民事訴訟法(LEC)第231条に基づく補正の余地が認められる傾向にあり、形式上の瑕疵が直ちに訴えの却下につながることは避けられています。用いる手段についても、柔軟な解釈が定着しつつあるようです。ビュロファックス(内容証明付き通信)に独占的な地位があるわけではなく、当事者の身元、内容、日付および通知の受領を確実に立証できる手段であれば、電子メールやSMSを含め、いずれも用いることができます。また、相手方から回答がなかったとしても、通知が適切に送付されていれば、試みが行われたものとみなされる可能性は否定されません。一方、LEC第264条4項に基づく宣誓申述書は、あらゆる連絡手段が真に不明である場合に限って用いるべきものです。結局のところ、重要なのは用いた媒体ではなく、通知が確かな記録を残し、当事者間で通常用いられている経路、または合意された経路に宛てて送られていることです。 当事務所の取り組み MASCを適切に活用し立証できるかどうかは、訴えが受理されるか否かを左右し得るため、案件の当初から訴訟戦略に組み込む必要があります。ナバロ・ジマ法律事務所では、MASCの動向と各裁判所が適用する基準を常に最新の状態で把握し、個々の案件に応じてその進め方を調整しています。当事務所は、MASCを単なる形式的要件としてではなく、依頼者の手続上の立場を決して疎かにすることなく、実効的な裁判外解決を図るための手段として捉えています。法的に可能な場合には合意に至る可能性を最大限に高めて訴訟を回避することを目指すと同時に、必要な場合に備えて訴訟手続の準備も並行して進めています。...

インターネットでの検索、動画のストリーミング再生、人工知能(AI)ツールへの問い合わせ。その一つひとつの背後には、休むことなく稼働するサーバーで埋め尽くされた産業用の建物があります。それがデータセンターであり、スペインにおけるその拡大はあまりに急速で、電力網そのものを揺るがすほどになっています。これまでに提出された系統接続の申請は、政府が2030年に必要と見込んでいた量の3倍に達しています。問題は量だけではありません。電力網の物理的な容量には限りがあり、データセンターがその大部分を占めてしまえば、電化を進める産業や運輸、その他の部門が利用できる余地はそれだけ小さくなります。さらに、これらの施設は昼夜を問わず常に電力を消費するため、太陽光も風もない時間帯には、電力系統は需要を賄うためにガス火力発電所に頼らざるを得ず、その結果、消費者全体の電気料金に跳ね返ることになります。 問題への規制上の対応 ― 系統接続のための3つの条件 こうした成長に秩序をもたらすため、スペイン政府は規制案を策定しました。この規制案は、電力網に接続するための参入要件を初めて導入するものです。空き容量があるだけではもはや十分ではなく、データセンターは次の3点を同時に証明しなければなりません。第一はエネルギーの供給源に関するものです。一般の電力網に接続するだけでは足りません。事業者は、消費電力の80%が当該プロジェクトのために専用に建設された太陽光または風力発電設備によって賄われていること(既存の発電所を利用することは認められません)、そして、その発電が時間単位で消費のタイミングと一致していることを証明しなければなりません。第二の条件は技術的な効率性です。規制案は、機器の冷却に充てられる電力の割合(実際にサーバーを動かす電力との対比で)、および冷却に用いられる水の消費量について、非常に厳しい基準値を定めています。予定されている基準によれば、これは欧州全体で最も厳しい水準であり、とりわけ水に関してその傾向が顕著です。第三の条件は、これらのセンターが扱う情報が欧州の管轄権の下にとどまることを求めるものです。運営会社はEU域内に設立されていなければならず、データをEU域外に持ち出すことはできません。また、事業者は、EUの法的枠組みを尊重しない外国当局からのアクセス要求を拒否できなければなりません。さらに、スペインの公的機関は、データがEU域内にとどまることを保証しないセンターに自らのシステムを置くことが禁じられています。規制を遵守しない場合の結果とは 規制違反は、単なる行政処分にとどまりません。自前の再生可能エネルギーによる充足率が最も低いケースでは、電力網へのアクセス費用が最大500%まで直接引き上げられる可能性があります。さらに、重大な違反状態が5年間続いた場合、事業者は系統接続の権利を最終的に失います。しかし、最も慎重な検討を要するのは、これらのルールが将来のプロジェクトに限られないという点です。申請がまだ審査中の事業者は、却下される可能性を前に、わずか3か月で要件の充足を証明しなければなりません。すでに許可を取得しているものの、まだ接続していない事業者には6か月の期限が与えられ、これを過ぎると、許可と差し入れた保証の双方を失います。ただし、規制案には出口も用意されています。同じ6か月の間であれば、保証が執行されることなく、プロジェクトを自主的に放棄することができます。 アラゴン州への影響 何が懸かっているのかを最もよく示しているのがアラゴン州です。同州には、合計出力が約2,500MWに上るデータセンター・プロジェクトが集中しています(スペイン国内でも最大級の規模です)。州政府自身も、規制案が現行の文言のまま承認された場合、540億ユーロを超える投資が危うくなるおそれがあると試算し、承認前の全面的な見直しを正式に求めています。アラゴン・エネルギー・クラスター(Clúster Aragonés de la Energía)も70件近くの修正提案を通じて支持しているこうした主張は、複数の側面にわたります。第一に、下位法令によって、すでに付与された許可や進んだ段階にあるプロジェクトに新たな条件を課すことができるのかが問われています。そうなれば、巨額の投資判断が下された前提そのものが覆され、行政に対する損害賠償請求への道を開くことにもなりかねません。第二に、系統接続へのこうした制限は、下位法令ではなく法律によって定めるべきではないかという点も提起されています。さらに、より戦略的な観点からは、EUの他の加盟国よりも厳しい枠組みは、デジタルインフラの投資先としてのスペインの地位を強化するどころか、投資家を規制の緩やかな国々へと向かわせかねないとの警告も出されています。また、規制案に添付された説明資料に、経済面および地域面での影響についての本格的な調査を盛り込むよう求める声もあります。意見を提出した側によれば、問題となっている金額の大きさに照らして、この点は必要な厳密さをもって検討されていないとのことです。結論 新たな規制が、電力網へのアクセスを参入のためのフィルターに変えることは明らかです。市場に残れるのは、自前の再生可能エネルギーを確保し、水の消費を最小限に抑え、扱うデータに対する欧州の管理を保証できるデータセンターだけです。このフィルターによって小規模なプロジェクトや投機的なプロジェクトは排除される一方、大手テック企業(10年間の再生可能エネルギー供給契約を締結できる力を持つ企業)は難なく適応できると予想されます。ほかならぬこうした大手テック企業への依存を減らすことを目的の一つとする規制が、結果としてその支配的地位を強化することになるのは、逆説的と言わざるを得ません。デジタル分野の投資案件の非常に大きな部分がこのプロセスの行方にかかっているアラゴン州にとって、提出された意見の最終的な結果(そして進行中のプロジェクトにどの程度の猶予が認められるか)は、同州におけるこの分野の将来を左右するものとなるでしょう。 厳密に法的な観点から 新たな規制案に定められたこれらの要件を、とりわけすでに付与された許可や手続きが進んだ段階にあるプロジェクトに適用することは、スペイン法上の法的安定性および正当な期待の保護の観点から、少なくとも議論の余地があると言えます。これに加えて、他の加盟国で施行されている枠組みよりも厳しい枠組みが生む不確実性もあります。先に述べたとおり、投資がより規制の緩やかな環境へと流出するリスクがあり、しかもそれは、規制案自体が第三国に対する欧州の地位強化を目指しているという、逆説的な状況の中で起こり得るのです。結局のところ、本規制案は正当な目的を持つものの、現在の設計、とりわけ経過措置と違反時の結果の比例性に関しては、現時点でその実際の適用可能性に一定の疑問を投げかけるものです。とはいえ、今後の動向と、最終的な承認までに条文にどのような修正が加えられるのかを見守る必要があるでしょう。...

経営難に陥ったスペイン子会社をお持ちの外国企業グループの多くは、スペインにおける倒産手続(concurso de acreedores)以外に道はないとお考えになるかもしれません。しかし、スペイン法上はまだ比較的新しい制度でありながら、実務上きわめて有用となりうる手段が見過ごされていることが少なくありません。とりわけ、事業自体は順調に運営されているにもかかわらず、予期せぬ事態や一時的な受注の落ち込みにより、差し迫った支払不能に直面している子会社にとって有用な制度です。ナバロ・ジマ法律事務所は、スペイン倒産法の分野において豊富な経験を有しております。そこで本稿では、会社が倒産手続に至り、最終的に清算されることを回避しうる手段として、この制度の有用性について若干の解説を行いたいと思います。 事業再生計画とは何か 事業再生計画(plan de reestructuración)とは、財務上の困難に直面している企業が、倒産手続の申立てを行うことなく、その状況を立て直す、すなわち「再構築」するために、スペイン倒産法そのものが用意している手段であるとお考えください。スペイン倒産法(TRLC)第614条は、これをかなり広く定義しており、債務者の資産および負債の構成、条件もしくは構造、または自己資本の変更を目的とするものを対象とし、資産、事業部門または継続企業としての事業全体の譲渡もこれに含まれます。もっとも、事業再生計画を債権者との単なる交渉から真に区別するのは、計画に署名していない債権者に対しても効力を及ぼしうるという点です。さらに、手続の期間中も、スペイン子会社は会社の経営権および財産の処分権を保持します。すなわち、経営権が停止され、裁判所の選任する倒産管財人に引き継がれることはありません。 スペインにおいて事業再生手続を開始できるのはどのような場合か TRLC第584条は、債権者との交渉開始の通知または事業再生計画の裁判所による認可は、債務者が支払不能のおそれ、差し迫った支払不能または現実の支払不能のいずれかの状態にある場合に認められると定めています。これら三つの状況はいずれも債務者が事業再生計画を利用することを可能にしますが、それぞれが異なる段階に対応し、とりわけ、とりうる選択肢の幅が異なる点に留意する必要があります。支払不能のおそれ:計画が成立しない場合、今後2年以内に弁済期が到来する債務を通常どおり履行できないことが客観的に予見される場合をいいます。 差し迫った支払不能:今後3か月以内に弁済期が到来する債務を、通常かつ期日どおりに履行できないと見込まれる場合をいいます。 現実の支払不能:弁済期にある債務を、すでに通常どおり履行できない場合をいいます。したがって、事業再生を利用するために、すでに支払の遅延が生じている必要はありません。むしろ、十分な時間的余裕をもって、たとえば支払不能のおそれの段階で用いる方が、有用性は高く、会社に与える効果もより好ましいものとなることが見込まれます。交渉開始通知の効果 手続を開始するにあたり、最初の一歩は、管轄のスペイン商事裁判所に対して債権者との交渉開始の通知を行うことです。適式に行われたこの通知は、それ自体ですでに重要な利益をもたらしうるものです。倒産手続の申立義務が停止され、債権者が申し立てた倒産手続開始の申立ては受理されなくなります。 事業活動の継続に必要な財産に対する執行が停止されます。もっとも、そのためには当該財産の重要性を適切に説明する必要があります。以上が二つの主要な効果ですが、通知は契約関係にも影響を及ぼしうるものです。たとえば、双方に未履行の債務が残る契約は引き続き効力を有し、この事由を理由として解除することはできません。しかも、これらはすべて、会社が経営権を失わないままに生じます。この点は、親会社およびスペイン子会社の取締役にとって、当然ながら最も関心の高い事項でしょう。 債権のクラスと多数決 交渉を経た計画は、債権者ごとに個別に決議されるのではなく、クラスごとに決議されます。これがスペインの制度における最大の新しさです。債権者は個別に議決権を行使するのではなく、クラスに分類されたうえで議決権を行使します。TRLC第623条によれば、これらのクラスは、客観的な基準によって判断される共通の利益の存在に基づいて形成されなければならず、倒産手続上の順位が同一の債権相互には、かかる共通の利益が存在するものとされます。もっとも、同順位の債権であっても、金融債権であるか否かなど、それを正当化する理由がある場合には、異なるクラスに分けることができます。 留意すべき3つのルール物的担保付債権は単一のクラスを構成します。ただし、担保目的物の性質が多様であり、複数のクラスに分けることが正当化される場合は、この限りではありません。 公法上の債権(スペイン税務当局および社会保険当局の債権を含みます)は、常に同順位のクラスの中で別個のクラスを構成します。 債権者が中小企業であり、計画によりその債権額の50パーセントを超える犠牲を強いられる場合には、別個のクラスを構成しなければなりません。各クラス内での可決には、当該クラスの債権額の3分の2を超える賛成が必要であり、物的担保付債権で構成されるクラスの場合、この割合は4分の3に引き上げられます。すべてのクラスが計画を可決した場合、裁判所による認可への道は開かれます。もっとも、あるクラスが反対した場合であっても、計画が認可される可能性は残されています。すなわち、クラスの単純多数によって可決され、かつ、そのうち少なくとも一つが倒産手続において優先権を有する債権のクラスである場合、または、継続企業として債務者を評価した場合に何らかの弁済を受けたと合理的に推認される少なくとも一つのクラスによって可決された場合です。これがいわゆるクラス間クラムダウン(反対クラスの拘束)であり、おそらく本制度全体の中で最も強力な手段といえます。本稿で述べたのは、はるかに複雑な制度の要点にすぎません。クラスの形成と多数決の要件、ならびに計画の裁判所による認可とその効果については、スペインにおける事業再生をテーマとする本シリーズの今後の記事において、より詳しく取り上げてまいります。 当事務所の経験 ナバロ・ジマ法律事務所は、債務者の立場からも債権者の立場からも、企業への助言において豊富な経験を有しており、スペインに子会社を有する国際的な企業グループの案件も数多く取り扱ってまいりました。貴社のスペイン子会社が困難に直面している場合、あるいは今後困難が生じうるとお考えの場合には、できる限り早期に状況を分析することが可能です。すでに述べたとおり、手続の開始が早ければ早いほど、この制度の利点を最大限に活用できる可能性が高まります。ご不明な点がございましたら、info@navarrollimaabogados.com までお気軽にお問い合わせください。当事務所がいつでもご相談に応じます。...

手付契約の締結、公正証書の作成、登記所への登記。多くの投資家にとって、この三つの行為は単に「不動産を取得すること」を意味します。しかし法律上は、それぞれが異なる時点であり、それぞれ固有の効果、固有のリスク、そして買主を保護する(あるいは保護しない)固有の形態を持っています。スペイン国外から不動産市場に投資する者は、前述の法的複雑さに直面するだけでなく、多くの場合、スペインに継続的に物理的に滞在しておらず、スペインの登記制度の仕組みについても事前の知識を持たないまま取引を行います。そのため、第三者から提供される情報への依存度がより高くなります。これまで他の記事で、手付契約の種類やスペインの登記制度がどのように機能するかについて取り上げてきました。今回は、この二つの論点を結びつけ、それぞれの段階がどのような法的状況を生み出し、次の段階へどのようにつながっていくのかを実務的な観点から説明します。 1. 手付契約:署名した者だけを拘束する約束 原則として、手付契約は買主に不動産の所有権を帰属させるものではありません。当事者は合意した義務によって拘束されますが、買主はまだ不動産の所有者ではなく、物権を取得するわけでもありません。これには、多くの買主が見落としがちな帰結があります。手付契約は登記所にアクセスできず、手付の種類によって内容の異なる、取得に関連する権利は生じるものの、最初の手付金を支払った時点で取引が完了し安全であると考えることはできません。登記も付記もされず、いかなる登記事項証明書(ノタ・シンプレ)にも記載されません。そのため、売主は登記上の所有者として記載され続け、理論上は不動産を処分する権限を保持したままとなります。もしそれが実際に行われた場合、買主は契約不履行の状態に置かれ、合意された手付の種類に応じた違約金の対象となりますが、当該第三者に対して不動産に関する権利を得られるわけではありません。そのため、国際的な投資の場合には、手付契約に一定の担保や条項を盛り込み、公正証書化の前に更新済みの登記事項証明書によって所有権と負担を確認する、専門家の助言を受けることが重要です。代金の一部を支払っていても、それがまだ不動産に対する権利を構成しない段階であることを踏まえると、手付契約の交渉と、公正証書の締結前に確認を繰り返し行うことは、手続の中でも特に重要な局面であるといえます。 2. 公正証書:公証人の面前で売買が正式化される時 ここで最も重要な法的変化が生じます。スペイン民法上、所有権を移転するには権原(契約)と移転行為(不動産の引渡し)という二つの要素が必要です。公正証書によって正式化される売買では、別段の定めがない限り、証書の作成が物の引渡しと同等の効果を持ちます。すなわち、当事者が署名した時点で、買主は所有権を請求する権利を有するにとどまらず、不動産の所有者となります。同時に、公正証書への署名は、登記への登録と密接に関連する一連の税務上の義務を発生させるため、この点にも留意が必要です。国際的な投資家は、再びスペインへ渡航する時間や機会を持たないことも少なくないため、信頼できる代理人に授与した委任状を通じて手続を行う必要があります。委任状が外国で作成された場合は、正しくアポスティーユを受けていなければならず、この手続の不備は遅延の最も頻繁な原因の一つとなっています。 3. 登記所:第三者に対して加わる保護の層 不動産登記法32条は、この最後の段階の意義を次のように説明しています。適法に登記されていない権原は「第三者に対抗できない」。言い換えれば、手続を正しく踏んだ買主――適切に組み立てられた手付契約、適法に作成された公正証書――は、すでに不動産の所有者です。登記が加えるのは、将来、同一の不動産について相反する権利を主張しようとする者に対する、より強固な保護です。これは二重売買の事例において明確に表れます。同一の不動産が異なる二人の買主に売却された場合、民法1473条は最初に購入した者にではなく、善意で最初に登記した者に所有権を認めます。そして不動産登記法34条はさらに一層の保護を加えています。登記上、移転する権限を有する者として記載されている者から善意かつ有償で権利を取得した第三者は、その権利が登記された後は、たとえ売主の権利が後に無効とされ、または解除されたとしても「その取得を維持される」とされています。国際的な投資家にとっての重要性 国際的な投資家にとって、この保護には一層の価値があります。スペイン国外に居住する者は、これほど容易に継続的な監視を行うことができないため、この保護の層は国際的な投資に対してとりわけ大きな安心をもたらします。もっとも、この保護に到達することは自動的ではありません。不動産登記法254条は、登記のために該当する税金の事前納付を要求しています。税務手続と登記手続の調整は、単なる事務的な詳細ではなく、買主が完全な保護を得るために必要な条件です。まさにこの段階において、スペインでこれらの手続を管理する信頼できる専門家の存在が、迅速な登記と回避可能であったはずの遅延との違いを生みます。投資家本人がこれらの手続を自ら行えない場合には、なおさら重要な意味を持ちます。 4. 手付契約から登記までの間に何が問題となり得るか 手付契約の締結から最終的な登記までの間、問題は二つの異なる段階で生じ得ます。公正証書の作成前には、リスクは不動産そのものと、売主が不動産を移転する能力に集中します。当初の登記事項証明書に記載されていなかった新たな負担が判明することもあれば、売主が既存の抵当権を抹消できない場合、想定していなかった都市計画上の問題が発覚する場合、あるいは不動産の真の所有権について疑義が生じる場合もあります。また、いずれかの当事者が最終的に公正証書を作成できない場合や、手付契約で合意した期限が守られない場合も起こり得ます。売買が公正証書によって正式化された後は、リスクの性質が変わります。もはや不動産そのものではなく、期限が問題となります。不動産登記法254条は、登記のために該当する税金の事前納付を求めており、この税務手続の遅れは、完全な登記上の保護へのアクセスを遅らせることになります。この一連の流れ、とりわけそれを左右する期限と税務手続を理解しておくことが、思いがけない事態を招くことなく売買を進めるための鍵となります。ナバロ・ジマ法律事務所では、民事、公証、登記、税務の各側面を調整しながら、お客様に各段階を通じて寄り添い、法的安定性が偶然に左右されることのないようにしています。売買のいずれかの段階についてご不明な点がございましたら、info@navarrollimaabogados.com までお気軽にお問い合わせください。...

企業統治(コーポレート・ガバナンス)の高度化を目的とした「取締役を兼任しない会社秘書役(Secretario no consejero)」に関する前回のブログに続き、Navarro Llima Abogadosでは、近年あまり注目されることはないものの、一定の場合には現在も法令上その選任が義務付けられ、かつ企業経営において極めて有益な役割を果たす制度についてご紹介します。それが**法務顧問弁護士(Letrado Asesor)**です。 法務顧問弁護士(Letrado Asesor)とは何か この制度を理解するためには、まず**1975年10月31日法律第39号(Ley 39/1975)**の前文を参照することが有益です。同法は法務顧問弁護士の選任について定めており、その趣旨として次のように述べています。「大多数の株式会社その他の商事会社は、その経営機関または管理機関において法的助言を受けている。しかし一方で、そのような助言を欠く会社では、現行法令に対する理解不足から不適切な決議が採択され、その結果として不要な訴訟や紛争に発展する事例も少なくない。このような状況を踏まえ、弁護士職一般規程(1946年6月28日政令)第3条の趣旨に従い、企業活動の適正な法的運営を確保するため、一定の会社については、その経営機関又は管理機関に所属する弁護士を選任することを義務付けるものである。また、『法務顧問弁護士(Letrado Asesor)』という呼称を採用したのは、法的助言以外の職務を担う会社秘書役(Secretario)と区別するためであり、本法が会社のあらゆる業務について包括的な法律顧問の設置を義務付ける趣旨ではないことを明確にするためである。」以上から明らかなように、法務顧問弁護士制度は、一部の会社において不足している法的助言機能を補完することを目的として創設された制度です。この役割は本質的に**予防法務(preventive legal advice)**にあります。すなわち、企業活動の過程で法的リスクを未然に把握し、企業の意思決定や組織運営を適切に構築することで、日常の事業活動から生じ得る紛争を可能な限り防止することを目的としています。この考え方は、近年コンプライアンス体制の重要性が急速に高まっていることとも軌を一にしています。したがって、法務顧問弁護士とは、弁護士会に登録された現役弁護士であり、会社によって正式に選任され、その会社の取締役会その他の経営・管理機関(その組織形態を問いません)に対して、決議、意思決定及び業務執行の適法性について助言を行う者をいいます。また、その専門的関与は会社の議事録その他のコーポレート・ドキュメントに適切に記録されなければなりません。これは、適用法令を十分に考慮しないまま意思決定が行われることによって、取引の安全や法的安定性が損なわれることを防止するためです。 有用性 前述のとおり、法務顧問弁護士の選任は一定の場合には法律上義務付けられています(その要件については後述します)。しかし、この制度の価値は、単なる法的義務として捉えるべきものではありません。仮に法令上その選任が義務付けられていなかったとしても、適切なコーポレート・ガバナンスと秩序ある企業運営を目指すすべての企業にとって、法務顧問弁護士は極めて有意義な存在です。その役割は法令遵守にとどまらず、企業経営そのものに付加価値をもたらします。第一の利点は、継続性にあります。多くの企業では、売掛金の未回収、契約違反、瑕疵担保責任その他の法的問題が発生して初めて弁護士へ相談する傾向があります。しかし、その時点では既に問題が顕在化しており、取り得る選択肢は限られてしまいます。これに対し、法務顧問弁護士は日常的かつ継続的に企業の意思決定へ関与し、その事業内容や経営方針を深く理解しています。そのため、法的リスクを事前に把握し、多くの問題を紛争へ発展する前に未然に防止することが可能となります。第二の特徴は、その職務範囲に柔軟性が認められていることです。1975年法律第39号は、会社の定款により、法務顧問弁護士へ法定の職務を超える追加的な権限を付与できることを認めています。法律上必須とされる職務は、経営機関が行う決議及び意思決定の適法性について助言することに限定されています。しかし、企業の実情に応じてその職務範囲を契約上拡張することは極めて有益です。例えば、取引先企業が倒産手続(破産・会社更生・民事再生等)に入った場合、法務顧問弁護士に対し、単なる法的手続の状況だけではなく、その企業の実質的な経営状況や信用リスクについても助言を求めることが考えられます。このような助言は法律上義務付けられた職務には含まれませんが、企業にとって重大な経済的損失や法的リスクを回避するうえで非常に大きな価値を有します。第三に、本ブログの「取締役を兼任しない会社秘書役」に関する記事でも述べたとおり、法務顧問弁護士は企業経営の専門性・客観性を高める役割を果たします。これは、とりわけ**ファミリービジネス(同族会社)**において重要です。家族関係と会社経営との境界が曖昧になりやすい環境では、個人的な利害と会社としての利益が混同されることがあります。独立した立場から法的助言を行う法務顧問弁護士の存在は、そのような緊張関係を緩和し、より客観的かつ適正な意思決定を促すことにつながります。 法務顧問弁護士の選任が義務付けられる場合 法務顧問弁護士の選任義務は、1975年法律第39号第1条に規定されており、スペイン国内に本店を有する会社と、外国法人とで要件が区別されています。 スペイン国内に本店を有する会社 次のいずれかに該当する場合には、法務顧問弁護士を選任しなければなりません。資本金が 300,506.05ユーロ以上であること。 通常の年間売上高が 601,012.10ユーロ以上であること。 常時雇用する従業員数が 50名を超えること。外国法人 外国法人については、次のいずれかに該当する場合に選任義務が生じます。スペイン国内の支店における年間売上高が 300,506.05ユーロ以上であること。 スペイン国内で常時雇用する従業員数が 50名を超えること。なお、これらの金額基準は1975年の制定以来改正されておらず、現在の経済状況に照らすと比較的低い水準となっています。そのため、実務上はあまり注目されることのない制度となっている一方で、法的には依然として多くの企業がその適用対象となり得ます。 法務顧問弁護士を選任しなかった場合の法的影響 法務顧問弁護士の選任が法律上義務付けられている場合であっても、その選任を怠ったことのみを理由として、経営機関が採択した決議が当然に無効となるわけではありません。実際、1975年法律第39号は、そのような法的効果を規定していません。もっとも、同法は、この義務違反が取締役等の責任に関する訴訟または手続において明示的に考慮されるべき事情であることを定めています。そのため、将来的に役員責任が争われる場面では、法務顧問弁護士を選任していなかった事実が会社側に不利な事情として評価される可能性があります。この点は、スペイン会社法(Ley de Sociedades de Capital)第226条に**ビジネス・ジャッジメント・ルール(Business Judgment Rule)**が導入されたことにより、さらに重要性を増しています。同条は、経営判断が保護されるためには、経営機関が十分な情報に基づき、適切な意思決定手続を経て判断を行ったことを要件としています。この観点からすると、法務顧問弁護士の関与は、経営機関が法令に従って適切に行動したことを裏付ける重要な保証となるだけでなく、取締役が善管注意義務および忠実義務を尽くしたことを立証するうえでも、有力な証拠として機能します。今日の企業実務においては、この制度は以前ほど注目されなくなっています。その一因として、法律が定める資本金や売上高の基準が制定当時のままであり、現在の経済環境との間に乖離が生じていることが挙げられます。しかしながら、そのような事情にもかかわらず、法務顧問弁護士制度は依然として優れたコーポレート・ガバナンスを支える重要な仕組みであり続けています。法務顧問弁護士を選任することにより、経営機関はより高い法的安定性と意思決定の信頼性を確保することができます。とりわけ、経営の専門性と客観性の確保が重要となる**ファミリービジネス(同族会社)**において、その意義は極めて大きいといえます。Navarro Llima Abogadosでは、お客様の会社が法律上の選任義務の対象となるかを個別に検討するとともに、法務顧問弁護士の選任手続、定款への適切な反映、その後の実務運用まで一貫してサポートしています。また、当事務所の弁護士が**外部法務顧問弁護士(External Legal Adviser to the Board)**として直接その職務を担い、お客様の組織におけるコーポレート・ガバナンス体制の構築・運用を継続的に支援することも可能です。...

スペインのプライム住宅市場は、国際資本にとって欧州で最も競争力のある投資先の一つとしての地位を確立しています。富裕層、ファミリーオフィスおよび機関投資家がハイエンドの住宅資産(ヴィラ、ブランデッドレジデンス、ライフスタイル関連の物件)に寄せる関心は、もはや収益性のみに基づくものではありません。今日、これらの資産の取得は、より広範な資産戦略の一部として位置づけられることが少なくありません。そこでは、資産の分散と同じく、国際的な移動の自由、資産の保全、あるいは家族の承継計画も重視されます。さらに、地政学的な不確実性、一部の法域における税負担の増大、金融市場の変動といった要因が、投資判断におけるスペイン不動産の戦略的な位置づけを一層強めています。もっとも、物件が高級であるからといって、スペインの法制度、行政手続および税制が簡素になるわけではありません。専門的な支援を受けないままこの領域に踏み込むことは、投資家を重大なリスクにさらします。不動産仲介業者は物件の紹介と取引の成約という正当な役割を担いますが、当事務所の役割はこれとは異なります。すなわち、買主の資産を保全し、取引の法的安全性を確保することです。 国際投資家にとってのプライム市場としてのスペイン スペインは、流動性が高く競争力のある不動産市場を有し、国際的な需要も継続しています。マドリード、バルセロナ、バレアレス諸島、コスタ・ブラバは購買力の高い外国人買主の関心を集めていますが、なかでも際立っているのがコスタ・デル・ソルです。マルベーリャ、ベナアビス、エステポナを結ぶエリア(「黄金の三角地帯」=Triángulo de Oro と呼ばれます)は、一般的な不動産市場の動向とは独立して動いています。温暖な気候、私立学校や国際水準の医療機関、空路によるアクセス、そしてすでに定着した外国人コミュニティが、この地域を居住・事業・資産運用のいずれの面でも第一級の市場へと変えました。このような状況において、住宅用資産の購入が単独の出来事にとどまることはまれです。多くの場合、企業グループの組織再編、家族の事業承継計画、あるいは居住地と国際的な税務戦略の一部を構成しています。 魅力的でありながら、単純ではない市場 スペインの法制度は、堅固な保護の枠組みを備えています。不動産登記所が付与する登記の公信力(fe pública registral)と、予防的な法的安全性を担保する仕組みとしての公証人の関与は、権利の帰属の追跡可能性や負担の公示がこれほど厳格でない他の法域と比べた場合の競争上の優位性といえます。もっとも、これらの保証があっても、資産についての法務・技術面の精査が不要になるわけではありません。取引の成否は、当該不動産の都市計画上の状況、税務上の取扱い、これに関係する行政上の許認可、さらに存在する場合には既存の賃貸借契約や観光目的の賃貸許可にも左右されます。これらの要素はいずれも不動産デューデリジェンスの対象であり、いかなる約束を行う前にも不可欠な予防的監査の一環です。ゴールデンビザ ― 投資家層の変化 長年にわたり、不動産投資によって居住許可を取得できる可能性は、一部の非EU圏の買主にとって追加的な誘因として機能してきました。しかし、スペインにおける不動産によるゴールデンビザの廃止により、その焦点は移りました。国際的な買主はもはや、在留資格上の利点によって資産を評価するのではなく、立地、権原の確実性、流動性、税務上の取扱い、自己使用の可能性、そして値上がり益や賃料収入の見込みといった、金融面および法律面の本質的な要素に基づいて判断しています。この変化は、法的助言の重要性を一層高めます。必要に応じて、取得はお客様の在留計画と調整し、その税務上の影響と併せて検討すべきです。そうすることで、スペイン国内における税務上の居住者資格が生じるといった、意図しない結果を避けることができます。 取引を保護するという弁護士の役割 国際的な不動産取引において、買主の弁護士は資産を販売するわけでも、売主の利益を擁護するわけでもありません。その役割は、投資を法的に保護することにあります。具体的には、書類の精査、リスクの特定および契約交渉にとどまらず、公証人、不動産登記所および金融機関との調整、マネー・ローンダリング防止義務の遵守の確保、そして権利の登記が完了するまでお客様に寄り添うことが含まれます。一見すると単純な購入であっても、国際課税、会社法や相続法、資金調達、州または市町村の都市計画規制といった論点が生じることがあります。 スペインの高級不動産投資における機会と技術的な要求水準 提供される物件の幅は広く、独立型ヴィラ、ゲーテッドコミュニティ内の住宅、プライム・アパートメント、新築物件、ブティック型の開発、ブランデッドレジデンス、観光目的での運用が見込める資産などが含まれます。これらの商品は、それぞれ異なる法的要件を伴います。さらに、需要の高い地域では、商業的な圧力によって短期間での判断を迫られることがあります。だからこそ投資家には、厳密さを損なうことなく迅速に動くことのできる法務チームが必要です。スピードが法的安全性に取って代わることはありません。外国人買主にとっての結論は明確です。スペインの制度は高い水準の安全性を提供する一方で、専門的な知識を要します。そして、良い購入と問題を抱えた投資との差は、多くの場合、事前に行われるデューデリジェンスの質によって決まります。当事務所の経験 ナバロ・ジマ法律事務所は、スペインにおける不動産取引について国際的な投資家に助言を行い、初期分析、資産の法的精査、契約交渉、公証手続の調整、取得に係る税務、資産ストラクチャリング、そして取引の完了に至るまで、すべての段階でお客様をサポートしています。20年を超える実績を有し、国際ネットワークであるラッセル・ベッドフォードの一員として、スペインでの不動産購入をご自身の税務、会社法務および相続の計画と整合させる必要のある外国のお客様に、日常的に対応しています。当事務所の代表パートナーであるハイメ・J・ナバロは、こうした投資家への助言において豊富な経験を有しています。スペインにおけるハイエンドの住宅用資産の取得をご検討中の方、または関連する事項についてご質問がある方は、info@navarrollimaabogados.com までお気軽にお問い合わせください。当事務所がいつでもご相談に応じます。...

司法は動きが遅い ― これは、法律分野と日常的に接点のない方々を含め、スペインで広く共有されている認識です。そして、その認識は誤りではありません。ナバロ・ジマ法律事務所は、スペインの裁判所が抱える逼迫と、その重い事件負担がもたらす影響と日々向き合っています。このような状況において、裁判の遅延が依頼者に及ぼす影響を可能な限り抑える戦略を設計し、依頼者の利益を実効的に守る解決策を探ることが、当事務所には求められています。 2025年の法改正と事前交渉の義務化 2025年、スペインでは、制度の効率性の向上などを目的とする新法が施行されました。その主要な変更点の一つが、大多数の手続において、訴えを提起する前に相手方と事前に交渉することを義務づけた点です。この措置の目的自体は合理的なものでした。当事者が裁判外で合意に至ることを促し、新規の手続件数を減らし、それによって司法制度の負担を緩和することです。 手続は回避されず、単に先送りされている しかし実際には、新たな手続の提起が回避されたというよりも、単に先送りされたにとどまっています。2025年末時点で、スペイン司法総評議会(CGPJ)の報告に基づく複数の情報源によれば、467万件の事件が裁判所で未処理のまま残っており、前年比で3.4%の増加となっています。それだけではありません。新制度の導入に伴う固有の困難も加わりました。この最初の一年間、統一的な基準が存在しなかったため、事前交渉の試みが適法に履践されたと認められるための要件が十分に理解されず、大きな法的不確実性が生じました。さらに、実務上、ある裁判所では受理されうる対応が、別の裁判所では異なる評価を受けることもあり、法的不安定性はいっそう高まりました。こうして、改革が導入されたにもかかわらず、2025年末の時点で約500万件の事件が解決を待ったままでした。この数字の大きさは、提訴前の新たな要件を追加するだけでは問題が解決しないことを示しています。求められているのは、人的・物的・組織的な体制の十分な裏づけを伴う、より広範な対応です。すなわち、本当に重要なこと ― 問題を抱えている当事者の課題を迅速に解決すること ― に焦点を当てた、創造的な解決策です。 本当のリスクは、裁判に訴えること自体を断念してしまうこと この状況がもたらす最も懸念すべき結果は、判決が出るまでに時間がかかるという点だけではありません。本当のリスクは、裁判所に訴える必要のある方が、時間・費用・手続の複雑さゆえに請求そのものが新たな負担となり、結局は訴えることを断念してしまうことにあります。手続が過度に長期化し、司法へのアクセスがますます複雑になるとき、裁判所は本来果たすべき役割から遠ざかる危険にさらされます。すなわち、市民に対し、紛争を解決するための実効的な手段を提供し、合理的な期間内に法的な回答を得られるようにするという役割です。 裁判の遅延に対する当事務所の取り組み こうした現実を前に、ナバロ・ジマ法律事務所では、司法の時間軸が個々の案件の結果を左右することを可能な限り避けられるよう、戦略を設計しています。 依頼者を知り、その目的を理解する 出発点は常に同じです。依頼者をよく知り、その状況を余すところなく理解することです。何が起きたのかを厳密に法的な観点から分析するだけでは足りません。依頼者が何を懸念しているのか、紛争をどう受け止めているのか、そして何よりも、本当に達成したい目的が何であるのかを知る必要があります。そして、大多数の案件には、個人的あるいは感情的な要素が強く含まれていることを忘れてはなりません。したがって、適切な戦略を設計するには、依頼者の法的な立場だけでなく、問題や相手方に対する依頼者の受け止め方を理解することが不可欠です。最も満足度の高い解決が、必ずしも金額的に最も大きな請求や、最も強硬な手続上の選択肢と一致するとは限りません。案件を検討し、依頼者の主たる要求に至るための複数の道筋を特定したうえで、当事務所はそれぞれの利点、リスク、および帰結を明確にご説明します。その際には、法的な見込み、費用、所要時間、そして各選択肢の実務上の実現可能性を評価します。そのうえで、最も適切と考える戦略をご提案します。 交渉を出発点とする このように、裁判所における豊富な経験と、商事・民事・手続法上の案件を扱ってきた実績を踏まえ、当事務所の対応は通常、相手方との交渉を試みることから始まります。現行のスペイン法が多くの場合に裁判外での解決の事前の試みを証明するよう求めているから、というだけではありません。相手方の利害、懸念、そして譲れない一線を知ることが、紛争の解決にとって決定的な意味を持ちうるからです。もちろん、交渉することは、依頼者の立場を放棄することを意味しません。どの点が当事者間の距離を縮めうるのか、どの点が双方とも越えたくない一線であるのか、そして満足のいく合意に至るためにどれだけの余地があるのかを理解することです。たとえば一定の案件では、請求可能な金額を、利息および訴訟手続によって生じうる費用も含めて正確に示したうえで、一定の期間内に合意が成立する場合にはより有利な経済的解決を提示するという、具体的な提案を行うことが有効な場合があります。こうした提案は、常に個別に、依頼者の利益と指示に沿って準備されます。当事務所の専門的な法律知識と、蓄積してきた豊富な経験は、さまざまな選択肢を比較検討し、それぞれの状況に落ち着きと見通し、そして確信をもって臨むための、きわめて幅広い可能性をもたらします。 交渉がまとまらない場合 もっとも、交渉がまとまらない場合、あるいは相手方に合意へ向けた真の意思が見られない場合には、裁判所に訴えることは数ある選択肢の一つではなくなり、依頼者の利益を守るために必要な手段となります。そして、この領域こそ、当事務所が最も力を発揮できる場です。 紛争ごとに固有の戦略が必要です ナバロ・ジマ法律事務所は、紛争にはそれぞれ固有の戦略が必要であると考えています。現在紛争に直面しておられ、どのような選択肢があるかをお知りになりたい方は、当事務所が案件を検討し、取りうる複数の道筋をご説明したうえで、ご希望の目的を達成するために、お客様のニーズに合わせた戦略を設計いたします。...

長年にわたり、モデロ720(Modelo 720)をめぐる議論は、その制裁制度の厳しさによって支配されてきました。国外に所在する財産および権利を申告する義務に違反した場合の罰金は、スペインの税制において最も議論を呼ぶ側面の一つであり、ついには欧州連合司法裁判所(CJEU)の判断を仰ぐに至りました。もっとも、2026年において、主たるリスクはもはや、期限後の提出や軽微な不申告がもたらす結果にあるのではありません。焦点は、より広い領域へと移っています。すなわち、スペイン国税庁(AEAT)が納税者の資産状況を把握し、その資金の出所を検証し、国外に所在する資産とスペインで申告された所得との整合性を照合する能力です。国際課税は今日、絶え間ない注意を要します。形式的なコンプライアンスと資産上のリスクとの境界線が、極めて細いものだからです。仮想資産に関するモデロ721(Modelo 721)の定着、暗号資産に関する情報の自動的交換についてのDAC8指令の差し迫った国内法化、そしてスペイン最高裁判所における近時の動きが、ゲームのルールを変えました。国際的な財務活動を行う会社、および大規模資産を有する個人にとって、これらの情報申告義務は、事後的な対応ではなく、予防的な分析を要するものです。 現行のルール ― 基準額と期限 現在の状況を整理するために、両義務がどのように機能するかを改めて確認しておく価値があります。モデロ720(国外の財産および権利):これは三つの独立した区分(銀行口座、有価証券・権利、不動産)を中心に構成されています。12月31日時点でいずれか一つにおいて50,000ユーロの基準額を超えると、翌年の1月1日から3月31日までの間に当該モデロを提出する義務が生じます。 モデロ721(国外の暗号資産):これは外国の事業者により保管される仮想資産の保有を規律するものです。前者と同様、12月31日時点での合計評価額が50,000ユーロを超える場合に提出が求められます。CJEUの判断から新たな制裁制度へ 2022年1月27日のCJEU判決(事件C-788/19、欧州委員会対スペイン王国)を受けて、150%の比例的罰金および時効の不適用が撤廃され、一見するとより予測可能な枠組みへと道が開かれました。現在、当局からの事前の要求なしに期限後に提出した場合は、各データまたはデータの集合ごとに100ユーロの定額の制裁金が科され、情報の区分ごとに最低1,500ユーロとされており、今のところ上限額は定められていません。資産上のリスクはもはや存在しませんが、他のリスクの源泉は依然として残っています。 「データまたはデータの集合」という概念 最低制裁金の額は明確であるものの、何が「データ」または「データの集合」を構成するのかについては、依然として摩擦が生じています。モデロ720では、各銀行口座(そのIBAN、期末残高、平均残高を伴うもの)または各不動産が、単一の情報区分として計算されます。 モデロ721では、外国の第三者の保管下にある各仮想ウォレットまたは公開鍵が、同様に機能します。危険なのは、多様化された複数の資産を含むウォレットを申告から漏らすと、1,500ユーロの最低額が区分ごとに積み重なり、当初予想していたものをはるかに上回る制裁の賦課決定をもたらしうる点にあります。実体的調査への入口としての形式的制裁 暗号資産に関する情報の自動的交換についての新たな国際基準の導入により、不透明性はほぼ存在しなくなりました。実務上、期限後の提出は、当該資産を取得するために用いられた資金の出所を検証し、その所得が個人所得税(IRPF)または法人税で課税されるべきであったかを確認し、プラットフォーム(取引所)間の移転が未申告のキャピタルゲインを生じさせたかを追跡することを目的とした、調査手続の出発点となりえます。ここでの制裁は、もはや100ユーロではなく、一般税法上の通常の制裁であり、明らかになった未納税額の150%に達しうるものです。例を挙げると、あるスペインの税務上の居住者が、外国のプラットフォームの保管下にある、300,000ユーロと評価される暗号資産のポートフォリオを保有しているとします。たとえモデロ721を期限後に提出し、これに対応する形式的制裁を受け入れたとしても、真に重要な問題は、投資された資金の出所と、時効が未だ完成していない事業年度中に行われた取引から得られた利益の正しい課税を立証することにあります。 国際的な包囲網の完成 ― DAC8とCARFの枠組み 申告された情報と当局が入手しうる情報との間の不一致の余地は、ますます狭まっていくでしょう。CARF(暗号資産報告枠組み、Crypto-Asset Reporting Framework)を取り込んだ指令(EU)2023/2226(DAC8)は、2026年1月1日以降、MiCA規則の適用を受ける暗号資産サービス提供者に対し、その顧客および取引に関する詳細な情報を収集し報告することを義務づけています。これらのデータの欧州各国の税務当局間における最初の自動的交換は、2027年に実施されます。これと並行して、AEATはモデロ172、175、289および721を適合させるための省令を、すでに手続中です。その直接の帰結は何でしょうか。2027年以降、スペインの税務当局は、申告された内容を、取引所および保管業者により直接報告された情報と自動的に照合することになります。新たな司法上の局面 ― 2026年1月21日のスペイン最高裁判所決定(第8616/2024号) 状況がまだ十分に複雑でないかのように、スペイン最高裁判所は予期せぬ突破口を開きました。2026年1月21日の決定(第8616/2024号)により、同裁判所は重要な上告(recurso de casación)を受理しました。最高裁判所は、2022年のCJEUの法理が、(EU法の優位を保障するために)旧制裁制度が適用されたすべての過去の手続について無効を宣言することを求めるのか、それとも反対に、すでに終結した手続には影響を及ぼさないのかを判断するための、拘束力ある判例を確立することになります。結論を先取りするのは賢明ではありませんが、当該上告が受理されたという事実は、過去のモデロ720の賦課決定を見直し、これに異議を申し立てる道を開きうる法律問題の存在を明らかにしています。 結論 国外の財産を申告することは、もはや単なる行政上の手続ではなくなりました。国際的な財務活動を行う法人および大規模資産を有する個人にとって、問題はもはや、期限後に提出した場合の罰金がいくらかかるかではなく、その国外の構造が、スペインで申告された税務上の状況との自動化されたデータ照合に耐えられるかどうかにあります。ナバロ・ジマ法律事務所は、国際的な資産構造の予防的な見直し、国外資産に関する情報申告義務の適切な管理、および新たな情報の自動的交換の仕組みから生じうる税務上の偶発債務の評価について、お客様をサポートしています。国際的な透明性が高まる状況において、先んじて備えることが、資産を保護するための主要な手段となっています。...

スペインの商取引においては、事業者が第三者に対し、自己の計算において特定の商行為を実行するよう依頼することが一般的です。このような関係を法的に構成するために用いられる契約形態の一つが商事委託契約(スペイン商法典第244条以下に規定)です。その目的は、直接的には、一方当事者の依頼に基づき、対価(手数料)と引き換えに、他方当事者のために一または複数の商行為もしくは取引を実行することです。受託者(comisionista)は、委託者(comitente)の計算において一または複数の商事行為を実行または仲介する任務を引き受けます。 スペイン法上、商事委託契約が成立するのはどのような場合か スペイン法上、商事委託契約は無方式の諾成契約です。その承諾は明示的にも黙示的にも行うことができます。黙示の承諾は、受託者が委託者の指示を遂行するための行為に着手した時点で成立します。正確な法的定義はスペイン商法典第244条が定めており、同条は以下の二つの基本的要件を満たす委任を商事委託として定義しています。目的が商行為または商取引であること。 委託者または受託者が商人または商事仲介業者であること。受託者は常に委託者の計算において行動し、自己の名において行動するか、委託者の名において行動するかの二つの方法のいずれかを選択することができます。自己の名において行動する場合、受託者は第三者と直接契約を締結し、原則として、当該第三者と委託者との間には直接の法律関係は生じません。一方、委託者の名において行動する場合、契約から生じる権利義務は委託者に直接帰属し、委託者が第三者に対して拘束されることになります。この区別は重要です。なぜなら、第三者に対して正式に義務を負うのが誰か、また取引から生じる請求や訴えを誰に対して提起できるかが、この区別によって決まるからです。商事委託契約は、契約一般に適用される事由によって終了することがあります。主な事由には以下のものがあります。委託事務の完了。 合意された期間の満了。 当事者間の合意。 履行の後発的不能。また、契約が信頼関係に基づくものであることから、委託者による一方的な解除によっても終了します。この場合、解除はその旨が受託者に到達した時に初めて効力を生じます。もっとも、委託者が権限を濫用して契約を解除した場合には、それによって生じる経済的損害について委託者が責任を負うことがあります。 他の類似制度との区別 商事委託契約は、商取引の促進・仲介・締結を目的として用いられる他の制度、例えば民事委任契約、商事代理店契約、仲介・媒介契約、役務提供契約などと混同しないことが重要です。第一に、民事委任との関係について言えば、商事委託においては委託された法律行為が常に商事性を有し、事業取引と結びついている点が、民事委任とは異なります。第二に、商事代理店契約との主な相違点は、関係の継続性および期間にあります。商事委託が通常は特定の取引または一定の任務を対象とするのに対し、商事代理店契約は一般的に安定した継続的な協力関係を前提とします。第三に、仲介・媒介契約との区別も重要です。仲介人は原則として、契約の締結を促進するために当事者双方を近づけることを役割とし、双方に対して独立した立場を保ちます。これに対し、受託者は委託者の利益のために行動し、委託された取引の締結および実行に直接関与することができます。最後に、役務提供契約においては主たる目的が特定の活動の実施であるのに対し、商事委託はすでに述べたとおり他人の計算において法律行為または取引を行うことを目的とし、報酬は通常、管理された取引または達成された結果と結びついています。商事委託における各当事者の義務とは 以上のとおり、受託者は(下位委託の場合を除き)委託された業務を自ら実行しなければなりません。そのため、その業界の専門家に求められる注意義務をもって業務を遂行しなければならず、主な義務として以下のものがあります。委託者の指示を遵守すること。 取引の進捗および結果について委託者に報告すること。 委託業務の成功に影響しうる重要な事情を通知すること。 業務の遂行状況を明らかにし、支出した費用を証明すること。 受領した物品、商品または資金を適切に保管すること。 委託業務の不履行または過失ある履行によって生じた損害について責任を負うこと。また、自己の利益のために委託業務と相容れない行為を行うこと、無断で信用取引を行うこと、または混同を生じさせるおそれがある場合に異なる所有者の商品を混在させることは禁じられます。一方、委託者にも固有の義務があります。主な義務は以下のとおりです。合意した手数料を支払うこと。 必要かつ適切に証明された費用を弁済すること。 取引の実行に必要な資金をあらかじめ提供すること。 受託者が委託の範囲内で有効に締結した取引の効果を引き受けること。委託契約を適切に規定することの重要性 委託契約を適切に作成することで、当事者双方の権利義務を明確に定め、リスクを最小化し、将来の紛争を防止することができます。これにより、商取引上の法的安定性が高まります。ナバロ・ジマ法律事務所では、契約書の起草・審査・交渉について、企業および専門家に対し専門的な助言を提供しております。各契約がお客様のニーズに合致し、契約関係の開始時から利益を効果的に保護できるよう、きめ細かいサポートを行っております。...

企業は、成長するにつれ、そしてとりわけ欧州のように規制の厳しい環境においては、弁護士による法的助言をますます必要とするようになります。そのため、自社の意思決定の適法性を確保し、客観的かつ公正な助言を得るための一つの方法が、一定の資質を備えた取締役を兼任しない秘書役を選任することです。 取締役会とは何か スペイン会社法上、取締役会は、取締役が複数存在する場合に会社の経営を組織するために選択しうる形態の一つです。この機関には、必置の役職が二つあります。会長。 秘書役。両者はいずれも、法律によって付与される権限に加え、会社の定款が与える権限を有します。したがって秘書役は、取締役会の開催準備および運営、ならびにその決議の形式的処理と執行において、とりわけ重要な役割を担います。会長と連携して会議の準備を行うこと 取締役会の権限に関して助言すること 会社の決議を認証し、これを公正証書として作成すること。 さらには、議事録簿その他一切の書類の保管者となること。こうした権限に鑑みれば、一定の資質を備えた秘書役を選任することが望ましく、理想的には法律の専門知識と商事実務の経験を兼ね備えた者であるべきです。 秘書役は取締役でなければならないのか 会社の定款に別段の明示的な定めがない限り、秘書役は取締役会のメンバーである必要はありません。これにより、当該役職を弁護士その他の専門的助言者が担う道が開かれます。なぜ弁護士を取締役会の秘書役とすることが望ましいのか ここで、企業の経営上のニーズに対する適切な解として、弁護士という存在について述べることができます。その理由は次のとおりです。 第一に、意思決定の適法性。 会社法および商法に関する適切な専門知識を備えた商事弁護士は、取締役会が形成していくあらゆる意思決定の適法性を確保することができます。さらに、必要に応じて決議を公正証書化することにも対応します。これらは弁護士にとってまったく日常的な業務であり、取締役会の他のメンバーをこうした形式的手続から解放します。 第二に、弁護士の経験。 弁護士という職業の性質上、商事分野を専門とする経験豊富な弁護士は、株主間の紛争から生産の組織化の手法に至るまで、数百に及ぶ事業上の局面に関する知見を本来的に備えています。これにより、当該役職を担うにふさわしい存在となり、取締役会の会議において戦略的な助言を行うことができます。 第三に、紛争その他の問題への対応。 取締役会の周辺においては、利益相反や、個人的・職業的な対立を完全に回避することは事実上不可能です。そのため、秘書役を務める弁護士は、外部的かつ全体的な視点をもたらします。すなわち、紛争を管理し、事業運営に影響を及ぼすことなく対立を解決する方法を確立し、さまざまな見解が生み出す選択肢の中から最善の意思決定に到達することを支援するのです。これらはいずれも、前項で述べた経験によるものです。 第四に、準継続的な助言。 弁護士が意思決定に関与することは、会社の実際の運営および事業プロセスに関するその理解を大きく深めます。これは暗黙のうちに行われる準継続的な助言へとつながります。会社の運営および経営上の意思決定を常に把握することで、弁護士は会社の実情をはるかに明確に捉えられるようになり、これは取締役会の事項に厳密には関係しない法的助言においても、大きな差を生み出しうるのです。どのような場合に適しているのか 今日において、事業上の意思決定の適法性や戦略的側面を確認するために相談できる信頼の置ける弁護士を持つことが常に望ましいのは事実ですが、だからといって、弁護士が取締役を兼任しない秘書役を務めることが厳密に必須であるというわけではありません。もっとも、その存在が会社にとって一般的に見て(少なくとも)有益であり、なされる意思決定の質に相当な差をもたらしうることもまた、否定できません。したがって当事務所は、弁護士を取締役を兼任しない会社秘書役に選任することは、会社の成長における適切かつ自然な一歩であると考えます。とりわけ、自社の統治を専門化し、その意思決定を当初から確固たるものとすることを目指す企業にとっては、なおさらです。 当事務所の経験 ナバロ・ジマ法律事務所は、幅広い業種・多様な商事分野において企業に助言を行ってきた豊富な経験を有しています。20年を超える実績を通じて、法的助言および商事上の知見を提供するに足る、豊かな情報と専門知識を蓄積してまいりました。当事務所の代表パートナーであるハイメ・J・ナバロは、これらのサービスの提供において豊富な経験を有しており、ご要望のあった企業において取締役を兼任しない秘書役を務めてきました。これに加え、わずか数名の従業員から数十名規模の従業員と企業グループ構造を有する企業へと成長したさまざまな事業プロジェクトへの関与を通じて培った、商事に関する深い知見を備えています。弁護士を取締役を兼任しない会社秘書役に選任することをご検討中の方、または関連する事項についてご質問がある方は、info@navarrollimaabogados.com までお気軽にお問い合わせください。当事務所がいつでもご相談に応じます。...

目次経済的処罰意識の目覚め 経済犯罪の性質 企業の不処罰の終焉:法人の刑事責任 経済犯罪のカタログ:拡大規制モザイク 経済犯罪における調査段階:真の戦略的核古典的な予審判事モデルの消耗 検察庁による指揮調査 専門警察部隊の成長する重要性 税務庁、税務査察および防御権のリスク大型事件、調査期間および手続的保証 効率と保証の間で1. 経済的処罰意識の目覚め 数十年間、スペインの経済刑法は古典的刑事制度内で周辺的な位置を占めていました。刑事介入は本質的に個人の財産的資産の保護に限定されていた一方、社会的に容認されたある種のビジネスまたは金融慣行は不道徳性または単なる行政的違反の領域に追いやられていました。しかし、金融市場の拡大、企業複雑性の増加、経済フローの国際化により、立法者はius puniendiの範囲を根本的に再検討することを余儀なくされました。この変化は特に1995年のスペイン刑法および2010年および2015年の後続改革を通じて具体化し、個人資産の保護だけでなく、市場透明性、商業取引への信頼、金融システムの安定性または自由競争といった超個人的法益の保護に指向された真正な経済刑法が確立されました。このパラダイム転換は、犯罪が調査され起訴される方法にも深刻な変化をもたらしました。経済犯罪は「可視的な」犯罪から技術的、文書的かつ洗練された犯罪へと変わり、刑事調査が絶対的に中心的な関連性を獲得している領域となりました。 2. 経済犯罪の性質 古典的財産犯と経済犯罪の差は、その機構の洗練性だけにはなく、主に保護される法益にあります。窃盗または伝統的詐欺では被害は具体的被害者に及ぶ一方、経済犯罪では被害は集団的または超個人的利益に投影されます。損傷は市場の正常な機能、制度的信頼または金融透明性に影響を与えます。まさにこのため、そのような犯罪行為はしばしば所謂「許容されたリスク」の仮面の下で発展します。危険なビジネス操作と犯罪的に関連のある行為との境界は極めて曖昧である可能性があります。刑法は最後の手段原則に基づいてのみ介入すべきであり、その行為が正当なビジネスリスクの範囲を明らかに超え、忠実性、透明性または勤勉さの本質的義務に違反する場合です。3. 企業の不処罰の終焉:法人の刑事責任 スペイン経済刑法の最近の発展における最も重要なマイルストーンの1つは、伝統的原則societas delinquere non potestとの決定的な決別です。2010年に導入され2015年に改善された改革は、法人の刑事責任を確立し、その利益のために行為した管理者、法定代理人または管理下の従業員によって犯された犯罪について企業および法人に対して刑事告発を可能にしました。このモデルは企業の自動的責任を意味するのではなく、むしろ組織的欠陥および内部統制不備から生じる「透明性」または「浸透」責任システムです。したがって、刑事コンプライアンスプログラムが予防メカニズムとして、および潜在的に責任の免除または軽減のための手段として増す重要性があります。このコンテキストでは、以下の図が膨大な関連性を獲得しています:刑法第31条の他者の代わりに行動する 事実上の管理者の責任 企業ベールの剥奪 複雑な企業構造の調査またはシェル組織現代の経済犯罪はまれに個別に機能します。スペインの企業構造、国際的ホールディング、手段的企業および金融不透明性のメカニズムを通じて機能し、調査段階を高い複雑性の真正な財産的および文書的調査に変えます。 4. 経済犯罪のカタログ:拡大規制モザイク 経済犯罪のカタログは広大であり、重大な調整を受けました。不正管理(刑法第252条)は2015年改革に続いて古典的横領から分離されました。それは現在資産を金融的意味で保護し、企業またはその株主に被害を生じさせる資源の詐欺的管理を処罰しています。一方、詐欺は依然としてその「基盤」として十分な欺罔を持ち、商取引において被害者の自己保護メカニズムを克服するものです。処罰可能な無資力の分野では、資産隠匿はリスク犯罪として構成され、債務者が債権者の支払い期待を挫折させるために実質的または見かけ上の無資力の状況に身を置くときに完成します。同様に、マネーロンダリングは犯罪活動の収益が合法的な流通に組み込まれることを防ぐことを求めています。判例法はこの犯罪のために情況証拠の使用を許可することで強硬であり、異常な財産増加および正当化する合法的活動の不在を評価しています。それは重大な過失の方式も認めており、「意図的な無知」を通じて資金の違法起源を確認するために必要な最小限の注意を観察しない者を処罰しています。  5. 経済犯罪における調査段階:真の戦略的核 経済刑法がその複雑さのすべてを明らかにする空間が存在するとすれば、それは間違いなく調査段階です。スペインにおける経済犯罪の調査は、刑事訴訟法によって設計された理論的モデルからしばしば逸脱する膨大な実践的特異性を呈しています。スペイン実践では、その分野の専門法学者が指摘するように、「単一の調査モデルはなく、複数のモデル」が、制度的ダイナミクスおよび専門的慣行を通じて構成されています。a. 古典的な予審判事モデルの消耗 刑事訴訟法は元来、予審判事を刑事調査の絶対的指揮者として構想しました。しかし、このスキームは数千の文書、国際的企業構造、および多国籍協力を伴う金融ネットワークを含む大型経済事件に直面して現在不十分です。教義は、元のモデルが「異なる、より複雑さの低い犯罪を調査するために」設計されたことを指摘しています。その結果、実践は主導的役割を以下に段階的に転換しました:検察庁 専門警察部隊 税務庁 SEPBLAC その他の行政機関b. 検察庁による指揮調査 反汚職検察庁は複雑な経済犯罪の調査において決定的役割を獲得しました。手続前調査手続は検察庁に手続の正式な司法化前に自律的調査を実施することを許可しています。この段階では以下を実施できます:文書を収集する、データベースにアクセスする、または例えば複雑な財務分析を実施するなどです。これらの調査は通常、大きな慎重さと敏捷性を持って発展します。正に防御が完全に介入しないためです。しかし、これはまた防御権または矛盾の原則といった基本的権利との緊張も生じさせます。 c. 専門警察部隊の成長する重要性 実践は多くの経済調査がUDEF、UCO、またはマネーロンダリング旅団などの高度に専門化された警察部隊によって実質的に指揮されることを実証しています。これらの部隊の技術的および金融的洗練さは通常の裁判所および検察庁の技術的能力を上回ることが多いです。これが予審判事の役割の静かな転換をもたらしました:調査の積極的指揮者から監督者または「保証判事」へ。 d. 税務庁、税務査察および防御権のリスク 特に繊細なのは税務当局に対する犯罪の調査です。税務庁はしばしば検察庁に所謂「一応確実な事案」を送付する前に徹底的な査察調査を実施しています。実践では、刑事調査の多くが行政査察手続のルールの下で実施されることを意味しています。ここにスペインの現代経済刑法の最も繊細な問題の1つが生じます:税務協力義務と自己負罪しない権利の間の対立。正に、刑事調査を深めるために査察手続を使用するリスクであり、納税者は行政制裁の脅威の下で協力することを義務付けられているためです。6. 大型事件、調査期間および手続的保証 スペイン経済刑事制度の最大の構造的問題の1つは、調査の不均衡な期間です。警察、検察庁または税務当局の膨大な調査能力にもかかわらず、手続が正式化されると、矛盾の原則、直接性または法的援助を確保するために多くの調査を繰り返す必要があります。これは複数年にわたる調査および調査対象者、告発者および司法機関に対する相当な手続上の摩耗を伴う極めて長い手続を生成します。これらの事件の技術的複雑性はまた、他の多くの行為の中でも:会計専門家報告書、財務分析および技術的調査を組み合わせることを必須としています...

当然のことながら、多くの場合、企業の成長は事業が順調である証であり、私たちはスペインにある子会社をさらに成長させるため、選択しうるさまざまな方策を常に検討すべきです。もっとも、その成長をどのように適切に組み立てるか、そしてそれに伴い得る義務にも目を向けなければなりません。というのも、スペインの法制度には、見落とされがちな規制上の転換点が存在するからです。それが「従業員50名」という基準です。スペインで従業員が50名を超えると、性質の異なるさまざまな法的義務(労働関連、差別禁止、あるいはコンプライアンス上の義務など)が発生し、これらに違反した場合には、単なる罰金にとどまらない制裁が科されることもあります。こうした義務を踏まえ、ナバロ・ジマ法律事務所(Navarro Llima Abogados)では、責任者の皆様が事前に備え、適切に対応できるよう、それぞれの義務を簡潔にご説明いたします。従業員50名に達する企業は、次の各点に留意する必要があります。 男女平等プランと報酬監査 従業員代表との交渉を経て策定し、労働省のREGCONシステムに公的に登録した男女平等プラン(Plan de Igualdad)を備えることが義務付けられます。また、このプランは4年ごとに見直す必要があり、性別による賃金格差が生じていないことを証明するための報酬監査の実施を伴います。 LGBTIプラン 職場におけるLGBTIの人々の平等と差別の禁止を保障するため、一連の措置(状況によっては正式なプラン)を備えることが義務付けられます。こうした措置には、たとえば次のものが含まれます。ハラスメントへの対応プロトコル、ならびに人事部門における社内プロセスの研修および見直しです。内部通報窓口 ― 内部情報システム 公益通報者保護に関する欧州指令 (Whistleblowing Directive) の国内法化に伴い、内部通報窓口を備えることが必須となります。これにより従業員は、不正、不祥事、その他広く倫理や企業慣行に反する行為を、秘密が保たれた形で(場合によっては匿名で)通報できるようになります。そのため企業は担当責任者を選任しなければならず、また当該システムには、受領期限、解決期限、秘密保持措置、報復に対する保障といった事項を定める必要があります。 障がい者のための雇用割当 従業員の少なくとも2%を、障がいの程度が33%以上の者で構成することが義務付けられます。もっとも、例外的に、かつ法令上の要件を満たすことを条件として、この割当を代替措置に置き換えることも可能です。たとえば、特別雇用センター(Centros Especiales de Empleo)からのサービス調達や、当該分野の財団への寄付などが挙げられます。 集団的代表:従業員委員会および安全衛生委員会 従業員の集団的代表は、質的に異なる段階へと移行します。企業は、従業員委員会(Comité de Empresa)の設置を可能にする義務を負うことになります。この機関は、経営に関する決定について、情報提供・協議・交渉に関する法律上の権利を有しており、整理解雇手続、労働条件の重大な変更、さらには事業譲渡や生産体制の変更といった事項にも影響を及ぼします。アングロサクソン系や北欧型の労働制度に慣れた子会社の経営陣にとって、この点はとりわけ注意を要します。従業員委員会は、形式的な意味での単なる諮問機関ではないからです。一定の手続においてはその関与が義務付けられており、これを欠いた場合、採択された決定が無効となるおそれがあります。報酬台帳およびデータ保護責任者 全従業員について、性別・職種・契約形態ごとに区分したうえで、給与・諸手当・賃金外給付の平均値を反映した報酬台帳を、毎年更新して維持しなければなりません。データ保護責任者(DPO)については、その設置義務は従業員数によって直接生じるものではなく、組織が行うデータ処理の性質および量によって決まります。従業員が50名を超えると、企業の処理の実態に照らし、スペインデータ保護庁の基準に基づいてこの役職の設置が求められるのが通常です。 子会社の経営陣へ ― 一つの考察 ご覧のとおり、十分な準備や体制整備のないまま従業員50名を超えることの主たるリスクは、本質的に累積的なものです。というのも、六つの規制上の義務に同時に直面することになるからです。さらに付け加えれば、これらの義務にはそれぞれ違反時の制裁が伴い、それらを合算すると、具体的な状況によっては優に150万ユーロを超えることもあります。ナバロ・ジマ法律事務所(Navarro Llima Abogados)では、国際グループの子会社によるスペインでの事業拡大を、コンプライアンス監査、集団的代表体制の設計、現行法令が求めるプランおよびプロトコルの導入支援を含め、総合的にサポートしております。貴社がこの成長の節目に近づいている、あるいはすでに超えている場合は、ぜひ私たちにご相談ください。...

長年事業を続けるなかで、多くの事業会社は工場、オフィス、店舗、用地など、事業に関連する重要な不動産を保有するようになります。やがてある時点で株主は、これらの不動産を事業活動から切り離すことを検討し始めます。当初は税務上の問題というよりも、戦略的な判断であることが一般的です。すなわち、事業が成長し、当初の組織構造では対応しきれなくなり、新たなリスクが顕在化したり、事業承継が視野に入ってきたりするのです。よくある理由としては、次のようなものが挙げられます:事業が成長し、当初の構造では手狭になった 事業リスクから資産を保全したい グループの専門化を進めたい 家族内での事業承継を準備している あるいは単に会社組織をより整理したいこうした場面でよく寄せられる質問があります。「不動産を売却することなく、しかも多額の税負担を伴わずに切り離すことは可能でしょうか?」答えは「可能ですが、どのような方法でも良いというわけではありません」。この種の組織再編には、入念な計画と、何よりも経済的合理性が求められます。すべての手法がすべてのケースに適合するわけではなく、組み立てを誤れば重大な税務リスクを招きかねません。 1. なぜ事業から不動産を切り離すのか 資産の保全 事業と不動産が同じ会社に属している場合、何らかの問題(債務、請求、支払不能など)が生じれば、資産全体に影響が及ぶおそれがあります。不動産を別会社に切り離すことで、リスクを遮断することができます。 事業承継の円滑化 事業家族のすべての構成員が経営に関与したいわけではありません。事業会社と資産管理会社を分離することで、世代交代を整理し、役割と資産をより秩序立てて分配することが可能になります。 グループの専門化 多くの企業は「何でも一社で」の体制から出発します。成長とともに、より専門化された構造、すなわち持株会社、事業子会社、資産管理会社という構成へと進化していくのが通例です。 将来の売却・投資の準備 不動産を切り離したクリーンな事業会社を売却するのと、不動産を抱え込んだ会社を売却するのとでは、まったく事情が異なります。資産を分離しておくことで、投資家の参入、事業の部分売却、銀行融資の獲得が容易になります。2. 組織再編に伴う課税上の論点 これらの組織再編における最大の障害は、法務ではなく税務にあります。通常、以下の税金が発生します:譲渡益に対する法人税(Impuesto sobre Sociedades) 印紙税(AJD)または不動産移転税(ITP) 地方都市計画税(plusvalía municipal) さらには関連者間取引に関する調整このため、多くの企業は法人税法(Ley 27/2014)第76条以下に規定される課税中立・課税繰延制度の適用を目指します。この制度の考え方はシンプルです。すなわち、当該取引が単なる節税目的ではなく、真の事業再編を反映するものであれば、課税を繰り延べることができる、というものです。「繰延」とは、税金が消滅するという意味ではなく、即時の課税を回避するという意味です。そのためスペイン税務当局(Agencia Tributaria)は、判例および税務総局(Dirección General de Tributos)の見解により発展してきた以下の概念の充足を特に重視します:正当な経済的動機(motivos económicos válidos):当該取引にはグループ再編、経営改善、リスク軽減など、真の事業上の合理性がなければなりません。 事業部門(rama de actividad):独自の物的・人的資源を備えた、自立した経済活動の存在が必要です。 経済的一体性(unidad económica):場合によっては完全な事業部門までは求められないものの、首尾一貫した経済構造は必要とされます。3. 会社から不動産を切り離す手法 会社間売買 技術的には最もシンプルな方法です。事業会社が、同一グループ内の別会社(通常は資産管理会社)に不動産を売却するというものです。ただし税コストは高くなります。売却には、譲渡益に対する法人税、印紙税または不動産移転税、地方都市計画税が課されます。重要な点として、不動産は時価で評価されなければならず、価格を自由に調整する余地はありません。 現物出資による資産管理子会社の設立 もう一つの選択肢は、新会社の設立時に不動産を現物出資する方法です。事業部門の存在が立証できる限り、特別繰延制度の適用が可能です。これは、当該会社が単なる不動産保有体ではなく、物的・人的資源を備え、機能的に自立した組織として、現実の経済活動を営んでいなければならないことを意味します。多くの組織再編が頓挫するのは、まさにこの段階です。また、特別現物出資(aportación no dineraria especial)を行うことも可能であり、これにより一定程度、分離が容易になります。部分分割(escisión parcial) 最も多く用いられる手法の一つです。包括承継により、資産の一部を別会社に移転することができます。しかし、部分分割においても同じ問題が立ちはだかります。すなわち、既存の事業部門の存在を立証する必要があるのです。会社分割の種類に関する弊事務所の別記事でも解説したとおり、不動産分割における最大の課題は、会社法上の問題ではなく、立証上の問題です。 完全分割(escisión total) 部分分割とは対照的に、完全分割の場合は、分離されるそれぞれの部分が事業部門に該当する必要はありません。ただし、元の会社が消滅するという結果を伴います。 減資 頻繁に検討される代替案として、株主への不動産現物分配を伴う減資があります。特に株主間で資産を分離する場合や、家族内再編の準備としては有用な場合もありますが、税務面からの慎重な検討が必要です。会社側と株主側の双方に課税が生じ、加えて地方都市計画税も発生するためです。 4. 事前計画の重要性 容易な手続ではないため、複数の段階に分けて取り組むのが一般的です。また、家族憲章や取締役報告書などの文書によって組織再編の根拠を補強しておくことも有益です。事業会社から不動産を切り離すことは、経営面・資産保全面から見て非常に賢明な判断となり得ます。しかし、画一的な解決策は存在しません。各案件において、会社の組織構造、資産の価値、税務インパクト、特別制度適用の現実性を個別に分析する必要があります。効率的な組織再編と税務リスクとを分けるのは、多くの場合、事前の準備です。ナバロ・ジマ法律事務所(Navarro Llima Abogados)では、組織再編および資産再編のプロセスを、初期分析から完全な実行まで一貫してサポートしております。確固たる方針は、法的安定性と税務リスクの管理です。...

スペインの行政に対する国家賠償とは スペインにおける行政機関に対する国家賠償(スペイン法上のresponsabilidad patrimonial de la Administración、すなわち「行政の財産的責任」)は、公権力の行使において行政機関が行った活動の結果として、私人がその財産または権利において被った損害を賠償することを目的とする法的制度です。その憲法上の根拠は、スペイン憲法第106条第2項に置かれており、同条は次のように定めています。「私人は、法律の定めるところにより、その財産または権利において被ったあらゆる損害について賠償を受ける権利を有する。ただし、不可抗力の場合を除き、当該損害が公共サービスの運営の結果であることを要する。」この制度の主な特徴の一つは、直接かつ無過失の責任であるという点です。直接責任であるとは、当該行為に関与した公務員や職員ではなく、行政機関自体が責任を負うことを意味します。 無過失責任であるとは、少なくとも理論上は、行政の故意または過失を立証する必要はなく、私人が法的に受忍する義務のない違法な損害の存在を立証すれば足りることを意味します。スペイン法における根拠法令 主たる規定は、公共部門法的制度法(Ley 40/2015)および行政機関共通行政手続法(Ley 39/2015)に置かれており、これらの法律は責任を追及するための実体的要件と、これに従うべき行政手続の双方を定めています。したがって、これらの規定および関連する判例によれば、すべての損害が当然に賠償請求権を生じさせるわけではなく、この種の請求が認容されるための要件は、判例上、精緻に画定されてきました。 スペインで国家賠償が認められる場合 本責任の客観的性質から、行政は、行政機能に属するあらゆる行為、運営、活動について責任を負うのみならず、不作為または懈怠によって生じた損害についても責任を負います。すなわち、具体的な行政上の決定のみならず、不作為、不当な遅延、サービス提供の不備、または作為義務があったにもかかわらず措置を講じなかったことについても責任を負うのです。もっとも、賠償請求権が発生するためには、損害が以下の要件を充たすことが不可欠です。 違法性 被害者は、法的に受忍する義務のない損害を被ったものでなければなりません。損害の違法性は、主観的観点ではなく客観的観点から判断されます。すなわち、当該私人が法秩序上、その損害を引き受ける義務を負っていたか否かが基準となります。 個別性 損害は個別化されたものでなければなりません。すなわち、損害は特定の個人または特定の集団に及ぶものでなければならず、共同体全般に無差別に影響を及ぼす一般的な不利益や不便では足りません。したがって、請求者に対する特定可能かつ具体的な影響が要求されます。 現実性 損害は現実のものでなければならず、これは公共部門法的制度法第32条第2項が定めるところです。「いかなる場合においても、主張される損害は現実のものでなければならない」。これは、損害が現実かつ実在のものでなければならないことを意味し、単に仮定的、偶発的、または不確実な将来の損害は除外されます。ただし、判例上、将来の損害についても、その発生および額の算定について絶対的な確実性がある場合には、賠償が認められます。 金銭的評価可能性 損害は金銭的に評価可能でなければなりません。これは財産的損害の場合により明確に当てはまりますが、人身損害や精神的損害が除外されることを意味するものではありません。なお、国家賠償責任が認められない場合も存在します。その代表的なものが不可抗力であり、これは行政の活動領域外にある予見不可能かつ回避不可能な事象を指します。また、本質的要件である因果関係を立証できない場合にも責任は否定されます。 スペインの行政に対する請求手続請求期間 国家賠償の請求期間は、1年です。原則として、当該期間は、損害事実の発生時または損害結果が顕在化した時から起算されます。身体的または精神的損害の場合、当該期間は、後遺症の治癒または症状固定の時から起算されます。ただし、請求が行政上または行政訴訟上における行政行為または一般的処分の取消に由来する場合、1年の期間は、対応する決定または判決の通知時から起算されます。 請求の提出 請求は、電子的方法によっても行うことができ、損害について責任を負う行政機関(国、自治州または地方公共団体のいずれであるかを問わない)に対して行わなければなりません。申請書には、以下の事項を記載する必要があります。請求者の特定。 事実の詳細な記述。 被った損害の立証(診断書、請求書、鑑定書等)。 請求賠償額の算定。 責任の根拠となる適用法令の主張。複数の行政機関が関与する場合には、責任の分配および一定の場合における連帯責任に関する公共部門法的制度法第33条の規定が適用されます。 決定期間 請求が提出されると、行政は、原則として6か月以内に決定を下さなければなりません。当該期間内に明示的な決定がなされなかった場合、当該請求は行政上の黙示的拒否とみなされ、任意的な再考申立てまたは行政訴訟による直接的な救済の道が開かれます。 当事務所がサポートいたします 国家賠償に関する請求は、技術的および立証上、高度な複雑性を有するのが通常です。そのため、事案の見込みについて入念な事前分析を行い、手続の当初から適切な法的戦略を構築することが不可欠です。スペインの行政機関の行為の結果として損害を被られた場合は、ナバロ・ジマ法律事務所が、ご請求の見込みの分析から、行政手続および行政訴訟を通じた手続全体の遂行に至るまで、法に基づき最大限の賠償を獲得することを目指してサポートいたします。...

会社分割(スペイン語で「escisión」)は、スペイン会社法における最も柔軟な組織再編手法の一つです。一般的に合併の逆プロセスと定義され、ある会社の財産を分割し、他の会社(新設会社か既存会社かを問わず)に一括して承継させることを可能にします。その実務上の有用性に鑑み、ナバロ・ジマ法律事務所では、本記事において会社分割の基本的な特徴とその各種類型について解説いたします。 概要 会社分割とは、ある会社の財産の全部または一部を、一つの行為によって包括的に承継させる手続きです。すなわち、ある会社から財産の一部を切り離し、これを一括して別の会社へ移転させることができます。ここで特に注目すべきは、株主の地位の継続性です。財産が分割される会社の株主は、当該操作の設計に応じて、対応する持分の株主となります(本原則には例外も存在しますが、本制度の特徴を理解するためには、まずこの原則を押さえる必要があります)。会社分割は、その柔軟性により、各種類型を通じて多様な企業の構造的状況に対応することができます。事業成長、事業承継の準備、または資産整理などの理由で生じる要請に応じて、会社およびグループの内部構造を調整することを可能にする手法です。 会社分割の種類 類似の他の類型が存在することを前提としつつも、会社分割の基本的な種類は、全部分割、部分的分割、および分社型分割の三つに大別されます。 1) 全部分割 全部分割は、会社分割の中で最も大規模な類型です。2023年王令第5号(RDL 5/2023)第59条およびスペイン法人税法(LIS)第76条第2項第1号a)に基づき、会社の消滅と、その財産の全部を二つ以上の部分に分割し、それぞれを包括承継により一つまたは複数の会社(新設会社か既存会社かを問わず)へ一括承継させることをその内容とします。分割される会社は清算手続を経ずに解散し、株主は従前の持分割合に応じて承継会社の株式または持分を受け取ります。さらに、額面価額の10%を超えない範囲で金銭による補償を受けることも可能です。税務の観点からは、部分的分割との重要な相違点を指摘しておく必要があります。すなわち、株主への割当が比例的である場合、スペイン法人税法第7編第7章に定める税務上の中立性制度は、分割される財産が事業部門を構成することを要件としません(同法第76条第2項第2号)。割当が非比例的(非対称的)である場合にのみ、事業部門の要件が再び適用されます。これにより、比例的全部分割は、独立した経済単位の存在を立証することが困難な場合における、財産再編のために特に柔軟性の高い選択肢となります。 2) 部分的分割 部分的分割は、2023年王令第5号第60条およびスペイン法人税法第76条第2項第1号b)に規定されており、分割元会社の存続を特徴とします。分割元会社は、その財産の一部または複数の部分を切り離し、包括承継により一つまたは複数の承継会社(新設会社か既存会社かを問わず)に一括して承継させ、少なくとも一部の財産を自社に保有し続けます。分割される会社の株主は、従前の持分割合に応じて承継会社の株式または持分を受け取り、分割元会社は必要な額の資本金および剰余金の減少を行います。全部分割と同様に、10%以下の金銭補償も認められます。この類型を区別する重要な要件(かつ税務当局との争いが最も多く生じる点)は、分割される財産の各部分が、承継される部分も分割元会社に残存する部分も、いずれも事業部門を構成しなければならないことです。スペイン法人税法第76条第4項は、事業部門を「独立した経済単位を構成しうる財産の集合体、すなわち自らの手段によって運営することができる集合体」と定義しています。スペイン税務総局(DGT)は、この自律性が分割操作よりも先行して存在しなければならないと繰り返し強調しています。すなわち、切り離される財産は、譲渡元会社の段階で既に、独自の物的・人的手段を備えた事業組織として区別されていなければなりません。実例として、拘束的回答V1956-25では、フルタイム従業員一名と専属の運営手段を有していたことを根拠に、不動産財産の分割に対する特別税制の適用が認められました。一方、拘束的回答V2604-21では、組織的な区別が事前に存在しない単なる孤立した財産にすぎないとして、適用が否認されています。 3) 分社型分割 分社型分割は、2023年王令第5号第61条に規定されており、ある会社の財産の一部または複数の部分(それぞれが経済単位を構成するもの)を、一つまたは複数の承継会社に対し、包括承継により一括して承継させることを特徴とします。部分的分割との本質的な相違は、承継会社の株式または持分を誰が受け取るかにあります。分社型分割では、これを受け取るのは分割元会社自身であり、その株主ではありません。その結果、姉妹会社構造ではなく親子会社構造が形成され、株主構成の変更も分割元会社の資本減少も生じません。税務上、本操作は通常、スペイン法人税法第87条に定める事業部門の現物出資制度を通じて行われ、出資される財産が同法第76条第4項にいう事業部門を構成することが同様に求められます。本制度は、子会社化の操作(事業会社が究極的な所有構造を変更することなく、ある事業部門を子会社へ移転したい場合)や、特定の活動の事業リスクを分離しつつ、その運営を共通の持株会社の下で維持することを目的とする企業再編において、特に有用性を発揮します。 4) その他の類型 基本的な類型のほか、以下のような類型にも触れておくべきでしょう。変則的分割(escisión impropia)。分割元会社から切り離された財産が、その株主に対して直接承継される類型です。すなわち、分割元会社の株主自身が当該財産部分の受益者となり、これを取得します。 逆方向分割(escisión inversa)。これは、分割元会社が承継会社の株式の全部を保有している場合における、全部分割または部分的分割の操作です。これらの場合、分割元会社は、分割される財産の一部として承継会社の株式を割り当て、これが分割元会社の株主に帰属することになります。 姉妹会社間の分割(escisión de sociedades gemelas)。この場合、承継会社と分割元会社の両方が同一の株主によって完全に保有されています。この前提の下では、承継会社は資本増加を行う必要がなく、共通の株主も新たな持分を受け取りません。サポートのご案内 会社分割は、その各種類型を通じて、極めて高い実務上の有用性を有する企業再編の手段として確立されています。事業ごとのリスク分離から、事業承継計画、新規投資家の参加、グループ構造の合理化に至るまで、多様な目的に対応することができます。もっとも、その適切な利用には、商事法上の要件と税務上の中立性制度の条件、特に事業部門の存在および有効な経済的動機の立証に関する慎重な分析が不可欠です。ナバロ・ジマ法律事務所では、組織再編操作の設計および実行において豊富な経験を有しており、計画段階から登記に至るまでクライアントをサポートしております。特に、操作の根拠となる経済的動機の文書化、および税務調査における潜在的なリスクの予防に細心の注意を払っております。...

代理店契約法(以下「本法」)は比較的簡潔な条文構成——わずか31か条——でありながら、その内容は非常に複雑な状況を広く包含しています。こうした背景のもと、実務上の重要な論点のひとつが、依頼人(プリンシパル)がいつ代理店契約を一方的に変更できるかという問題です。具体的には、新たな要求事項が通常の事業運営における合理的な指示や正当な業務指導の範囲内にとどまるものとして——すなわち依頼人の経営指揮権の行使として——解釈できる場合と、反対に、代理店の同意を要する契約条件の重大な変更に該当する場合との区別が求められます。これは些細な問題ではありません。代理店が相応の補償——顧客補償、予告期間補償、および該当する場合には損害賠償——を請求できるかどうかを左右する、決定的な判断基準です。なお、代理店契約はいずれの当事者からも一方的に解除できること、また代理店による契約違反があった場合にのみ、代理店は本来受け取るべき補償を受ける権利を失うことを、あらためて確認しておく必要があります。 代理店契約の一方的変更:法律が認めることと認めないこと この議論の法的根拠は、私見によれば、民法第1256条にあります。同条は、いかなる義務の履行も、当事者の一方のみの意思に委ねることを禁じています。この前提に立てば、個々の事案を具体的に検討することが不可欠です。依頼人が課す新たな指示または義務の性質、そして当事者間のそれまでの契約関係の双方を考慮した上で判断しなければなりません。契約の本質的な要素に影響を及ぼす変更、あるいは従前は代理店に課されていなかった新たな義務を導入する変更に限り、その効力発生のために代理店の同意が必要となります。 何を基準に判断すべきか この文脈において、本法の基本原則は第9条2項(c)に定められており、同条は「代理店は、依頼人から受け取った合理的な指示に従って活動しなければならない。ただし、その独立性を侵害するものであってはならない」と規定しています。以上から、依頼人の新たな要求が合理的な指示の範囲内にあると解釈できる場合、それらは正当な業務指導として代理店を拘束するものであり、代理店はこれに従う義務を負います。反対に、当該要求がこの枠組みを逸脱した契約条件の重大な変更にあたる場合、代理店はそれを拒否することができ、その拒否は契約違反とは評価されず、むしろ代理店としての正当な契約上の権利行使と認められます。網羅的なリストは存在しない 判断にあたっては、変更の性質そのものと、当事者間のそれまでの関係を踏まえる必要があります——この分析は本質的に事案ごとの個別判断となります。もっとも、判例は一定の判断基準を積み重ねており、一般的に次のような事項に関わる変更は重大な変更と判断されています。報酬の変更。 従前は存在しなかった販売目標の設定。 新たな義務の導入(債権回収業務や定期報告書の作成義務など)。 準拠法、裁判管轄、または紛争解決手段に関わる事項。要するに、代理店の法的地位または独立性に重大な影響を与える変更がこれにあたります。以上の理由から、この種の経営判断は事前に慎重に検討しなければなりません。代理店の同意を得ることなく重大な変更を一方的に押し付けることは違法と判断されます。それは単に法律に反するだけでなく、代理店は違反を犯すことなくその変更を拒否できるうえ、依頼人に帰責される解除事由ともなり得て、法律上定められた補償を受ける権利が発生することになります。 契約条件の変更方法:Navarro Llima Abogados S.L.のアプローチ 上述のとおり、代理店契約に新たな条件を導入するためには、事前の厳密な法的分析が欠かせません。これは単純に進められるプロセスではありませんが、乗り越えられない問題でもありません。重大な変更が伴う場合であっても、完全な法的確実性をもって実施できる適切な戦略を構築することは可能です。最初のステップは、現行契約の包括的な精査です。当事務所の経験、関連判例、および専門的知見に基づき、どの条項が、変更すれば契約条件の一方的な変更となる義務を生じさせるものであるかを特定し、依頼人の正当な経営指揮権の範囲内で調整可能な条項はどれかを見極めます。分析完了後の対応 変更が契約の本質的な要素に影響しない場合は、直接かつ円滑に実施できます。一方、契約上の均衡に重大な変動が認められる場合には、関係する代理店との個別または集団的な交渉戦略を立案します。あわせて、変更が実務に与える影響を定量的に評価する財務的分析を行い、経営判断を適切に支援します。当事務所の業務は、依頼人側のアドバイスにとどまりません。商業代理店の代理人としての豊富な実績もあり、課された変更の有効性を検討した上で、法的限界が逸脱された場合には、代理店が受けるべき補償を回収するために必要な法的手続きを遂行します。総じて、代理店契約法は一見シンプルに見えますが、その実務的な適用は相当に複雑です。Navarro Llima Abogadosでは、25年以上にわたってこの分野で企業と代理店の双方に法律アドバイスを提供してきました。技術的・戦略的かつ成果重視のアプローチにより、あらゆる意思決定における法的確実性を保証します。...

欧州委員会の報告書(2017年6月26日および2019年7月24日)によれば、経済のすべてのセクターは、組織犯罪グループおよびテロ組織による浸透、統合、または支配といったリスクに対して脆弱性を有しています。しかしながら、不動産セクターはその世界的な重要性および特性により、歴史的に、不正資金の生成または隠匿に関わる活動と強く結びついてきました。そのため欧州委員会は、国境を越えるリスク評価に関する報告書において、不動産セクターが重大なマネーロンダリング・リスクにさらされていると評価しています。 リスク評価 FATF(金融活動作業部会)は2022年7月、不動産セクターにおけるマネーロンダリング防止に関するガイダンスを公表し、本分野に関与する専門家に対し、勧告を裏付けるための手法および事例を提供しています。本ガイダンスによれば、専門家はリスク評価を以下の3つの基本的観点に基づいて実施すべきとされています。地理的要因:国がリスク国として分類されているかどうかを踏まえた出所分析。 顧客要因:取引に関与する当事者の分析。 取引要因:資金調達手段および資金の流れ・構造の分析。これらの観点を分析するためには、基本的な予防措置を講じる必要があり、以下の3つのブロックに分類されます。 本人確認(KYC) 最初の義務は、事業関係の構築または取引への関与を希望するすべての自然人および法人について適切な本人確認を行うことです。そのために一般的にKYC(Know Your Customer)と呼ばれるフォームを用い、対象者はこれを記入する必要があります。個人の場合、基本的に以下の情報が求められます:氏名、住所、納税者番号、資金の出所、およびその他関連情報。 取引の目的および性質 顧客との取引関係の目的および性質についても情報を収集する必要があります。特に、職業または事業活動の内容について把握し、提供された情報の合理的な正確性を確認するための措置を講じます。顧客または取引関係が平均を上回るリスクを有する場合、あるいは申告内容と実態に不整合が見られる場合には、信頼できる独立した情報源を用いて確認を行う必要があります。 モニタリング 取引期間を通じて行われるすべての取引について、継続的な監視および分析を実施する必要があります。例えば、国際不動産取引において、過去の取引の容易さや収益性に応じて投資額が段階的に増加するケースなどが該当します。このため、不動産投資取引では、前述の2つのステップで確保された安全性を維持する目的で、定期的に最新情報の提出を求めるのが一般的です。簡素化措置および強化措置 取引または事業関係におけるリスク評価に応じて、リスクが極めて低い場合には簡素化された措置が適用されることがあります。例えば、関係者の本人確認を取引後に行うことが認められる場合や、収集する情報量を大幅に削減できる場合などです。一方で、特定の国に所在する顧客や一定額を超える外貨取引など、特定の要素によりリスクが高いと判断される場合には、取引実行前に、より詳細かつ広範な情報提供が求められます。 リスク国 FATFは定期的にリスク国リストを公表しています。第一のリスト(ブラックリスト)は、加盟国に対して対抗措置の適用を求める国々を示しています。これは、それらの国に起因するリスクから自国の金融システムを保護するための実効的措置を意味します。現在、このリストは以下の国で構成されています:イラン 朝鮮民主主義人民共和国 ミャンマー第二のリスト(グレーリスト)は、マネーロンダリング防止体制に戦略的な欠陥があり、監視および注意喚起の対象となる国々を示しています。最新更新(2026年2月)では以下が含まれています:アンゴラ アルジェリア ボリビア ブルガリア カメルーンコートジボワール ハイチ 英領バージン諸島 ケニア レバノンモナコ ナミビア ネパール コンゴ民主共和国 ラオス人民民主共和国シリア 南スーダン ベネズエラ ベトナム イエメン知識と予防 結論として、特に国際的要素を含む不動産取引においては、関連するリスクに関する深い理解およびマネーロンダリング防止に関する義務の遵守が不可欠です。初期段階から適切な専門的助言を受けることで、これらの義務の履行が容易になるだけでなく、取引の円滑化にもつながり、不必要な遅延を回避し、投資の正常な実行を確保することができます。ナバロ・ジマ法律事務所では、国際不動産投資に特化したプラットフォームReal Estateを通じて、不動産売買に関する包括的なリーガルサービスを提供しており、法務・規制面の分析と実務的な市場視点を組み合わせたサポートを行っています。...

1. 領域性およびフォエロ概念の歴史的考察 スペインの訴訟制度において、領域性(territorialidad)は、同一の客観的管轄権を有する司法機関間で司法機能を配分するための立法上の基準として機能し、訴訟手続を裁判所が物理的に所在する地域に結びつける役割を果たす。「フォエロ(fuero)」という用語はラテン語の forum に由来し、裁判官の所在地、ひいては地理的理由に基づき特定の裁判所に管轄権を付与する規範を意味する。歴史的にスペインでは、教会裁判権、軍事裁判権、商事裁判権など、多数の特権的フォエロが併存し、司法制度は断片化されていた。この状況は、1868年12月6日のフォエロ統一令(Decreto de unificación de fueros)によって大きく変化した。この自由主義的改革は管轄区分を大幅に削減し、軍事・宗教(教会)・上院に関するものに限定した。その目的は、すべての市民の法の下の平等を確保し、市民的自由にとって不適切と考えられていた制度を廃止することであった。 2. 刑事分野における領域性 刑事司法制度において、スペインの裁判権は主として領域主義の原則に従い、刑法はスペイン領域内に存在するすべての者に適用される。優先フォエロおよび補充フォエロ:一般原則は locus commissi delicti(犯罪地原則)、すなわち犯罪行為が実行された場所である。ただし、その場所が不明な場合には、被疑者の居住地や物的証拠が発見された場所などの補充的フォエロが適用される。また、性暴力犯罪における被害者の住所地など、保護目的に基づく特別フォエロも存在する。 人格主義の原則:厳格な領域主義の例外として、行為者がスペイン国籍者(または後に国籍を取得した外国人)である場合、その犯罪が国外で行われたとしても、当該行為が実行地においても処罰可能であり、スペインで告訴が提起され、かつ国外で既に裁判を受けていない場合には、スペイン裁判所が管轄権を有することがある。既遂と既了(消尽)の区別:スペイン最高裁判所(STS第850/2024号、2024年10月10日判決)は、詐欺などの犯罪においては、欺罔行為および財産移転が行われた場所が犯罪地であると明確にした。ただし、個別事案に応じた他の基準の適用も排除されない。これらの行為が国外で行われた場合、原則としてスペイン裁判所は管轄権を有しないが、被疑者がスペイン国籍である場合には人格主義の原則が適用され得る。3. 民事分野における領域性およびフォエロの可処分性 刑事分野では管轄権が通常変更不可能であるのに対し、民事訴訟では強行規定と任意規定が併存している。 A) フォエロの分類強行的法定フォエロ(処分不可: 当事者による変更ができない法定管轄であり、不動産(所在地)、相続、人の能力、婚姻事件などに関するものが含まれる。この場合、裁判所は職権で管轄権を審査しなければならない。 任意的法定フォエロ(処分可能: 民事訴訟法(LEC)第54条に基づく一般原則であり、当事者は明示または黙示の合意によって管轄裁判所を選択できる。ただし、消費者・利用者を含む契約(いわゆる附合契約)ではこの自由は制限される。B)一般フォエロ 特別かつ強行的フォエロが存在しない場合、以下が適用される:自然人:被告の国内住所 法人:本店所在地、または法律関係が発生した場所もしくは効力を生じる場所(ただし、公開事業所または権限ある代理人が存在する場合に限る)4. 基本原則:Perpetuatio Iurisdictionis(管轄権の固定) 領域性における重要概念として perpetuatio iurisdictionis がある。この原則は、訴状が受理された時点で管轄裁判所が確定すれば、その後の事情変更(被告の住所変更、一部請求の取下げなど)は裁判所の管轄権に影響を与えないとするものである。この原則は複雑な訴訟において重要な役割を果たしている。最高裁判所は、複数被告のうち一人の住所地で提訴し、その後当該被告に対する請求が取り下げられた場合でも、当初の裁判所は perpetuatio iurisdictionis に基づき管轄権を維持し、裁判所間の「訴訟の放浪」を防ぐべきであると判示している(2020年10月13日付最高裁決定第71/2020号)。 5. 結論 スペインにおける領域性は、歴史的な断片化から、刑事においては公序重視、民事においては基本的人権保護を軸とする統一的管轄制度へと発展してきた。刑事領域では領域主義がほぼ絶対的に適用される一方、民事領域では消費者保護など弱者保護を害さない限り、また法が強行的に定める事項でない限り、フォエロの可処分性が認められている。...

スペインにおける富裕税は、かつては分散したルールの集合体でしたが、現在では「国内どこに居住していても大規模資産に対して最低限の課税を保証する」という考え方に基づいた、複雑ながらも体系化された二重構造へと発展しています。 現在、個人の純資産に対して課される税は主に2つあります。それが「資産税(Impuesto sobre el Patrimonio, IP)」と「大富裕層連帯税(Impuesto Temporal de Solidaridad de las Grandes Fortunas, ITSGF)」です。 これらは独立して機能するのではなく、相互に調整されながら課税が行われます。この関係性を理解することが、実際の税負担を把握するうえで非常に重要です1. 「資産」とは何か、なぜ課税されるのか まず課税対象を明確にする必要があります。 「資産」とは、不動産、銀行預金、金融投資、美術品や宝飾品、企業持分など、経済的価値を持つ財産および権利の総体を指します。国家は、資産を保有すること自体が「支払い能力(担税力)」を意味すると考え、それに応じた課税を行います。ただし、この負担は2つの制度を通じて複雑に構成されています。 2. 各税制度の仕組み 資産税(IP) これは国税ですが、自治州に委譲されている税です。そのため、各地域が非課税枠、税率、控除などを独自に設定できます。 その結果、居住地によって税負担は大きく異なります。例えば、非課税枠はアラゴン州では40万ユーロ、カタルーニャ州では50万ユーロ、バレンシア州では100万ユーロに設定されています。さらに、主たる居住用不動産の一部非課税などの優遇措置も存在します。大富裕層連帯税(ITSGF) 当初は一時的な措置でしたが、2022年以降、事実上恒久的な国税として機能しています。その目的は、スペイン全土で最低限の実効税率を確保することです。 純資産が370万ユーロ(課税ベース300万ユーロ+非課税枠70万ユーロ)を超える場合に適用されます。二重課税なのか? この2つの税は二重課税を避ける仕組みになっています。 実務上は、各自治州で支払った資産税(IP)がITSGFから控除されるため、ITSGFは「不足分のみ」を補う形になります。そのため納税額の総額はほぼ同じですが、税収の帰属先と制度設計が異なります。3. 所得税(IRPF)と資産税の合算上限 重要なルールとして、「所得税(IRPF)と資産税の合計上限」があります。これは、IRPFとIPの合計が、IRPFの課税所得の60%を超えてはならないというものです。もし超過した場合、資産税が最大80%まで減額され、最低でも資産税の20%は支払う必要があります。例えば、課税所得が10万ユーロの場合、合計上限は6万ユーロです。IRPFとIPの合計がこれを超える場合、資産税が調整されます。 4. 2026年における非居住者への変更点 最近の変化は法律そのものよりも「解釈」に関するものです。スペイン最高裁判所(2025年10月29日判決および11月3日判決)は、非居住者(スペインに資産を持つが国外在住者)にも、所得と資産の合算上限ルール(資産税法31条)を適用できると判断しました。これにより、これまで存在していた不利益な取り扱いが是正されました。さらに、この考え方はITSGFにも拡張されています。結果として、非居住者は実効税率を下げることが可能となり、未時効の申告について修正申告を行う余地や、国際的な税務プランニングの重要性が高まっています。5. 税務プランニングの戦略 大規模な資産においては、税負担は避けられない固定費ではなく、設計可能な変数です。主に以下の3つの要素が重要です。実態のある事業活動を行うファミリービジネスの持分は、100%非課税となる可能性があります。最高裁判例により要件は緩和され、一定の現金保有も、投資戦略の一環であれば認められるようになっています。 資産税は純資産に課税されるため、投資のための負債は課税ベースを減少させます。これは単なる借入ではなく、資本構造の設計の問題です。 IRPFと資産税の合算上限を活用し、所得の繰延、長期キャピタルゲイン化、企業再投資などを行うことで、総合的な税負担を軽減できます。税務プランニングの重要性 スペインの税制は、単純な居住地変更だけでは回避しにくい「最低課税保証型」へと変化しています。資産を成長させるか、税負担で目減りさせるかの分岐点は、事前の設計にあります。Navarro Llima Abogadosでは、各資産が本来の目的を果たしつつ、過剰な税負担を避けるためのサポートを提供しています。...

スペインの高い税負担は、スペイン領土への居住移転を検討する専門職、役員、労働者が直面する最大の問題の一つとなっています。しかし、法制度には税務最適化メカニズムが用意されており、これは一般的にベッカム法として知られ、スペイン領土に移転する非居住者および外国人が、スペインでより少ない税金を支払うことを可能にします。ベッカム法は、国外居住者特別制度とも呼ばれ、特定の納税者が、スペインの税務上の居住者であるにもかかわらず、非居住者所得税(IRNR)で納税することを認めており、60万ユーロまで24%の固定税率、それを超える所得については47%の税率が適用されます。この制度は、6年間(加入年およびその後の5課税期間)という重要な期間において、一般的なIRPF制度と比較して重要な税務上の利点をもたらします。このツールは特に以下の場合に関連性があります:労働者の国際的移動 役員および高技能人材の移転 国際テレワーク(デジタルノマド) 外国人材の誘致以下では、ベッカム法を利用できる対象者と、特に当事務所でAEATに対して法的安全性と最大の成功確率を保証する包括的な手続き管理方法について説明します。 ベッカム法を選択するための要件 ベッカム法を利用できる対象者を知るためには、IRPF法第93条に定められた様々な要件を確認する必要があります。これは自動的な制度ではなく、その逆で、行政当局が各ケースへの適用を受け入れるために、かなり制限的な基準を持つ行政に対して、根拠のある法的文書が必要となります。 1. スペインの税務居住者でないこと。 この点では、以前にスペインに住んでいたかどうかは問題ではなく、申請時点でスペインの納税者でないことが求められます。 2. 過去5年間スペインに居住していないこと。 前項に関わらず、今度は申請者が以前にスペインに居住していたかどうかを確認する必要がありますが、これは5年間の閉じた期間に関してです。 3. 正当な理由による移転。 スペイン領土への移転は、LIRPF第93条第1項b)の第1号から第4号に記載されている原因のいずれかの結果として生じる必要があります。ここが最も決定的な部分であり、行政当局は移転と主張された原因の間に直接的、実際的、証明可能な関係が存在することを要求します。法規範で定められた主な原因には以下があります:スペインの雇用者との雇用契約の締結による労働契約の開始。 雇用者による命令による移転で、移転レターが存在すること。 情報システム、テレマティクス、通信システムの独占的使用による遠隔労働活動。この最後のケースでは、国際テレワーカー査証の取得が納税者の立場を大幅に強化します。その他の原因として、スペイン領土への移転は、スペイン企業の管理者としての地位の取得、起業家として認定される経済活動の実施、または高技能専門職による経済活動の実施の結果である場合もあります。ベッカム法に関連するすべての手続きを担当します。 当事務所では、LIRPF第93条の国外居住者特別制度への加入を希望する移転労働者の数多くの申請を処理してきたベッカム法専門の弁護士を擁しています。 したがって、当社の業務システムは、クライアントが最大の安心感を持って手続きを当社に委ねることができるよう設計されており、当社がクライアントに代わって、初期分析からAEATでの最終的な解決までプロセス全体を包括的に管理します。 1. 開始 プロセスは、電話、ビデオ通話、または対面でのクライアントとの最初のコンタクトから始まり、クライアントの個人的、職業的、税務的状況を詳細に分析します。この段階は決定的であり、要件を表面的に確認するだけでなく、ベッカム制度への適合性の完全な法的分析を行い、AEATがより厳格に審査する要素に特別な注意を払います。ケースが必要とする場合、実行可能性に関する事前報告書を作成し、クライアントの状況を詳細に分析し、発生する可能性のあるリスクを特定し、クライアントにとってより有利な移転動機を評価し、手続きを開始する前にベッカム法への加入の適切性について根拠のある法的推奨を行い、クライアントが決定できるようにします。 2. 根拠づけと申請 アプローチが定まったら、ベッカム法専門の弁護士が根拠のある法的文書を準備し、法的基盤と証拠の観点から国外居住者特別制度の適用を正当化し、行政当局とのすべての連絡を自らで管理し、手続きの進行状況を監督しながら、クライアントに適切に情報を提供します。最終的に、AEATでのモデル149の提出により申請を正式化し、案件が最初から堅実で、一貫性があり、法的に弁護可能なアプローチでAEATに到達することを保証します。3. 問題発生時 税務庁からの要求や問題が発生した場合、案件の完全な弁護を引き受け、適切に根拠づけられた技術的異議申立てを行い、戦略的に追加文書を提供し、適切な場合には対応する行政不服申立てを行います。当社のアプローチは明確です:手続きのすべての段階で法的厳密性をもってベッカム制度の適用を支持することです。 お問い合わせ スペインへの移転を検討している、または最近移転した場合、申請を提出する前に状況を分析することが重要です。当事務所では、ベッカム法に関する個別アドバイスを提供し、ケースの実行可能性を評価し、手続き全体を包括的に管理します。すでに述べたように、ナバーロ・ジマ法律事務所では複数のクライアントのプロセスを担当しているため、質問が生じた場合や、あなたも制度への加入を検討している場合は、info@navarrollimaabogados.comを通じてお気軽にお問い合わせください。 ...

ますます監視が強化されるグローバル市場において、商業的な機敏性はもはや規範的コンプライアンスから切り離すことはできません。先週の記事「競争法:談合行為の基本概念」ですでに先取りしていたように、競争当局のレーダーの下で活動することは実行可能な戦略ではありません。そのため、鍵となるのは、企業の存続可能性を脅かす可能性のあるリスクに対する予防的な盾として機能する誠実性の文化を統合することです。 競争分野におけるコンプライアンスプログラムとは何か? コンプライアンスプログラムは、企業が市場の規範を効果的に遵守するために設計されたプロトコル、政策、内部統制の生きたエコシステムです。これは単なる美的なマニュアルや法律の複製ではなく、組織のあらゆるレベルに競争文化を確立することを目的とした実用的なツールです。その主な機能は三重です:違反行為の防止 疑わしい行為の早期発見 法的・評判的損害を最小限に抑える方法での対応保護なしに活動するリスク 競争法の規範は経済制裁を超える結果を伴います。最も重要なリスクの中で以下が挙げられます:罰金:法律15/2007第63.1条は、非常に重大な制裁について企業の総売上高の最大10%の罰金を規定しています。 公共部門との契約禁止:法律9/2017第71.1.b)条は、競争の歪曲に関する重大な違反で制裁を受けた者は公共部門と契約できないと定めています。 管理者の責任:法律15/2007第63.2条は、行為に関与した会社の法的代表者または経営陣のメンバーに対して最大60,000ユーロの制裁を課す可能性を規定しています。 損害賠償:法律15/2007第72条は、これらの慣行により損害を受けた者は違反者に請求し、完全な賠償を得る権利があると定めています。私たちの方法論 ナバロ・ジマ法律事務所ではどのようにあなたのコンプライアンスプログラムを実装するのか? 各企業は異なっており、そのように、あらゆる形態のコンプライアンス事項において「標準的な」ソリューションは機能しません。5つの戦略的軸に従って、あなたの会社の運営現実に基づいた「オーダーメイドのスーツ」を設計することが必要です: 1. トップの関与 上級管理職の公的で確固たる関与が必要であり、これはプログラムが当局の前で信頼性を持つための不可欠な基盤です。このために、各会社向けにパーソナライズされた文書を準備し、取締役会および他の経営職がコンプライアンスへの取り組みを実証するために署名する必要があります。 2. パーソナライズされたリスクマップ 価格操作や市場分割などの反競争的慣行の実行に脆弱な事業分野(販売、購入、物流...

不動産取引において主要なリスクは価格にあるのではなく、実際に何を取得しているのかを本当に理解していないことにある場合が多い。不動産の背後には、登記上の負担、都市計画上の違反、使用制限、有効な契約、税務上の偶発債務など、一見しただけでは必ずしも明らかでない要素が存在する可能性がある。これらを適時に発見することが、安全な投資と将来の紛争との分かれ道となり得る。不動産デューデリジェンスは、まさにこの目的を持っている:取得を正式化する前に資産の法的、都市計画的、経済的状況を厳密に分析し、投資家が情報に基づいた決定を行い、可能なリスクを予測できるようにすることである。 1. 不動産デューデリジェンスとは何か、そしてなぜ必要なのか? 不動産デューデリジェンスは、売買に先立つ不動産の法的監査から成る。このプロセスを通じて、資産の所有権、使用、価値に影響を与える可能性のあるすべての要素が検討される。この分析には、特に以下の問題が含まれる:不動産の所有権と登記状況 負担または所有権制限の存在 都市計画状況と行政許可 賃貸借またはその他の第三者の権利の可能な存在 未払いの経済的義務 取引の税務上の影響目的は問題を特定するだけでなく、取引に対するその実際の影響を評価し、可能な場合には、安全な条件での投資継続を可能にする法的解決策を提案することである。近年、環境および持続可能性要因が特別な重要性を帯びており、特に循環経済のための廃棄物および汚染土壌に関する法律7/2022の施行後、土壌管理および環境リスク防止に関する義務が強化されている。2. 各取引に適応した分析 すべての不動産取引が同じリスクを呈するわけではない。デューデリジェンスの構造は、投資家のプロフィール(個人、資産管理会社、企業、金融機関)と資産の種類(住宅、ホテル、物流、商業、開発用地)の両方に適応させる必要がある。そのため、プロセスは通常、顧客との初回会議から始まり、不動産の用途(自己使用、運用、都市開発)、投資の時間軸、資産の予定経済モデルなどの問題を分析する。この情報は、プロジェクトの実行可能性により大きな影響を与える可能性のある側面に分析を焦点化するために不可欠である。デューデリジェンスは通常大規模投資取引と関連付けられるが、実際には小額取得においても推奨される。そこでは特定のリスクが比例的により関連性の高い影響を与える可能性がある。 3. 不動産デューデリジェンスの段階 a) 登記、地籍、負担の審査 第一段階は、登記および地籍情報を通じて不動産の法的状況を分析することから成る。そのために不動産登記簿の対応する簡易証明書が取得される。以下を確認できる:不動産の所有権と売却を意図する者の能力 抵当権、差押え、用益物権、地役権などの登記上の負担の存在 解除条件または税務上の拘束 司法手続きに関連する可能な予防的記載不動産が区分所有者組合の一部である場合、以下の審査も必要である:管理費の可能な債務、承認済みまたは手続き中の特別賦課金、組合規約に記載された制限。 分析の利点: この分析により、「負担なし」として販売されているが取消待ちの登記記載がある不動産、または正式な譲渡を行う前に法的状況を整理する必要がある未分割相続に統合された不動産など、比較的頻繁な状況を検出できる。さらに、不動産登記簿、地籍、不動産の物理的現実を調整する。面積、境界線、不動産の構成に差異を見つけることは一般的であるためである。 b) 都市計画と許可の審査 不動産取引における最も関連性の高い側面の一つは、不動産の都市計画状況であり、これは不動産が投資家によって予定された用途に使用できることを確認するために不可欠である。特に以下の問題が分析される:土地の分類と格付け 都市計画規則により許可された用途 建築、初回占有、活動許可 可能な制裁手続きまたは都市計画違反例えば、対応する行政許可なしに活動が展開される店舗や、都市計画許可なしに拡張を実行した建物を見つけることは珍しくない。これらの場合、正規化の可能性、制裁のリスク、または資産の評価に直接影響する取壊義務の可能性を評価する必要がある。建物の技術文書も審査される。例:建物技術検査(ITE)報告書、建物台帳、図面。これらは改修の必要性、建設上の欠陥、または資産の評価に直接影響する将来の保守義務を明らかにする可能性がある。開発用地の場合、デューデリジェンスには都市計画の状況、未払いの都市化負担、または環境もしくは領土保護制度による可能な拘束の分析も含まれる。c) 経済的、税務的、契約上の審査 監査は取引の経済的および税務的側面も包含する。不動産取引は取引の経済計画を完全に変更する可能性のある税金を課す。そのため、取引の税務上の影響(ITP、IVA、AJD、市町村キャピタルゲイン税)を研究して取引の税務コストを見積もり、国および自治州の軽減または税制優遇の可能な適用を評価することを担当する。 4. 意思決定のためのツールとしてのデューデリジェンス デューデリジェンスプロセスの結果は法的報告書に反映され、検出された偶発債務と取引に対するその可能な影響が特定される。これにより投資家は以下が可能になる:(i)取得価格の再交渉;(ii)特定の負担の事前取消の要求;(iii)都市計画状況の正規化の要求、または(iv)売買契約への特定保証の導入。多くの場合、デューデリジェンスは必ずしも取引の放棄につながるのではなく、購入者にとってより安全でバランスの取れた条件での再考につながる。したがって、不動産の法的現実の明確な視野を得て、取引が正式化される前に可能なリスクを予測するための不可欠なステップである。その基盤の上で、ナバロ・リマ法律事務所では、資産の事前分析から売買の正式化まで、構造化、交渉、必要な文書の準備を含む、不動産投資プロセス全体において顧客に同伴している。 ...

ファミリー企業グループの分野では、不動産の所有権を特定の会社に分離して事業活動を構成することが一般的です。ホールディング会社に関する当ブログの別の記事で説明したように、この会社は通常、グループの不動産資産の所有者として機能し、同じグループの他の会社や第三者の顧客に賃貸しています。しかし、税務の観点から、この組織には重要な問題があります:賃貸会社が経済活動を行っているとは必ずしも認められないということです。これは相続税・贈与税において特に重要です。なぜなら、ファミリー企業の移転は、特定の要件を満たせば95%の軽減を受けることができるからです。最も議論されているもののひとつは、個人所得税法で規定されているものです:不動産賃貸が経済活動と認められるためには、賃貸管理に専念するフルタイムで雇用された者が少なくとも1人存在しなければならないのです。 しかし、その管理をグループの他の会社の従業員が行っている場合はどうなるでしょうか? 最高裁判所の最近の判決が、まさにこの問題を扱いました。   最高裁判所が分析したケース親会社(ABM Corporación Empresarial S.L.)の株主は、その持分を子どもたちに贈与することを選択。 親会社が出資する会社のひとつは、自社従業員を持たない不動産賃貸専門会社(MICROBELL S.L.)。 自己申告を行う際、受贈者(子どもたち)は相続税・贈与税法第20条6項に規定された軽減の適用を選択。 不動産子会社が賃貸管理のための自社従業員を有していなかったため、税務当局はその活動が経済活動を構成しないと判断し、結果として軽減の適用を部分的に拒否。重要な論点:子会社における従業員は不可欠か? 裁判所は、ファミリー企業の移転における税制軽減を適用するために、従業員が必ず賃貸会社に雇用されている必要があるか、それとも法人税法で定められた経済活動の定義に従って、グループの他の企業に所属することができるかを判断しなければなりませんでした。裁判所が示した基準 法廷は、税務当局が適用したものよりも形式主義的でない解釈を採用しました。判決によれば、従業員が子会社の給与台帳に記載されることを自動的かつ不可欠に要求することはできません。賃貸が統合された真の活動がグループによって共同で提供されている場合、従業員はグループの他の企業にいることが可能です。しかし、この柔軟性はあらゆる状況に適用されるわけではありません: 活動は実際にグループに統合されていなければならない。 賃貸会社がグループに属するだけでは十分ではありません。賃貸は、他の会社と調整された、より広範な企業活動の一部でなければなりません。重要なのは、従業員が子会社にいるかどうか、または賃貸の経済活動が行われていると理解できるかどうかではなく、他の企業が提供する財・サービスの提供と合わせて、子会社の活動が単なる不動産賃貸を超越しているかどうかです。したがって、子会社の活動が賃貸人の視点からのみ分析できるか、それともグループ全体への貢献を考慮して分析すべきかに注意を払うべきです。 ファミリー企業の継続性による解釈。 最高裁はまた、ファミリー企業の税制には明確な目的があることを想起します:世代間移転を促進することです。そのため、ファミリー企業の継続を困難にする可能性のある形式主義を避けて規範を解釈する必要があると考え、1994年12月7日の欧州委員会勧告と2015年9月8日の欧州議会決議を支持しています。これらは、加盟国に対し、適切な相続・贈与制度でファミリー企業の存続を求め、形式主義や官僚主義で世代交代を妨げないよう促していました。この判決が意味すること 確かに判決は、より柔軟な解釈への扉を開いています:不動産子会社が自社従業員を持つことが必ずしも義務的ではなく、むしろ、これらが存在しなくても真の経済活動の存在を証明することができます。しかし、この解釈を企業グループに統合されたあらゆる賃貸会社に適用することは不可能であることは明らかです:「逆に、否定的な限定として、不動産賃貸会社が企業グループに単に所属しているだけで、不動産賃貸活動がグループの他の企業の経済活動と機能的に連携・統合されていない場合、個人所得税法第27条2項に規定された経済活動の要件の遵守は、不動産賃貸専門会社において個別に検証されることが要求される。」以上を踏まえると、この決定は、税務当局が子会社における従業員の存在を不可欠に要求することを防ぐ目的論的解釈への小さな進歩を意味しますが、いくつかの問題を未解決のまま残しています: 子会社の活動が単なる不動産賃貸を超越するとは正確に何を意味するのか? この解釈をファミリー企業の分野外でも適用できるのか? この基準は賃貸子会社に関連する他の税務分野にどの程度まで拡張できるのか? 今後数年間で行政と裁判所の基準がどのように発展するかを見守る必要があります。確実に言えることは、私たちは顧客にどのように利益をもたらすことができるかを理解するため、その可能性を研究しているということです。...

ナバロ・リマ法律事務所では、企業間の協力、競合他社間であっても、それが日常的であるだけでなく、イノベーションや効率性、経済発展にとってしばしば必要かつ有益であることを理解しています。しかし、法律は、合法的な協力とカルテル行為(談合)とみなされる行為との間に微妙な境界線を引いています。その境界線を意図的に、または無知によって越えることは、企業に壊滅的な影響を及ぼす可能性があります。具体的には、数百万ユーロ規模の罰金、公的部門との契約禁止、さらには経営陣に対する制裁などです。 一般原則:競争を制限する合意の禁止 スペインおよび欧州の規制の基本原則は、競争制限的な合意の一般的禁止です。競争法(Ley 15/2007)第1条は、競争を阻害、制限、または歪めることを目的とする、あるいはその効果を持つ企業間のあらゆる合意を禁止しています。目的と効果の違い目的による制限:その性質上、競争に有害とみなされる行為です。判例法では、この場合、市場への悪影響を証明する必要はなく、制裁が科されることが明確に示されています。このカテゴリーには、最も重大な合意、例えば価格カルテル、市場分割、または生産制限が含まれます。効果による制限:明確な反競争目的を持たなくても、競争に対して負の影響を与える、または与える可能性がある合意です。この場合、当局は経済状況、市場構造、関与する企業の立場を詳細に分析する必要があります。協力はいつ適法となるのか すべての協力関係が禁止されるわけではありません。そのため、法制度は「セーフハーバー(安全領域)」として、類型別一括適用免除規則(Block Exemption Regulations)を設けています。これらの規則は、市場シェアの基準など厳格な条件の下で、その利益が潜在的な競争制限効果を上回ると評価される一定の類型の合意を認めています。例としては、以下のものが挙げられます。水平的協力協定(競合企業間): 研究開発(R&D)契約や専門化契約などであり、イノベーションや効率性の向上を促進する可能性があります。 垂直的協定(流通段階の異なる企業間): 独占的販売契約や選択的流通契約などであり、製品の流通および販売の効率化に資する場合があります。したがって、制裁のリスクを回避するためには、当該合意がこれらの免除規定のいずれかに該当するかどうか、またその要件をすべて満たしているかを慎重に検討することが極めて重要です。カルテル行為に伴う主なリスクと法的帰結合意の適法性を評価する責任は、企業自身に直接帰属します。これは「自己評価制度(self-assessment)」と呼ばれる仕組みです。この自己評価を誤った場合、以下のような結果を招く可能性があります。課徴金(罰金): 特に重大な違反の場合、企業の総売上高の最大10%に相当する制裁金が科される可能性があります。 経営陣に対する制裁: 違反行為に関与した法定代表者は、最大60,000ユーロの罰金を科される可能性があります。 公共調達からの排除: 企業は公共入札への参加を禁止される場合があります。 損害賠償請求: 反競争的行為によって被害を受けた顧客または競合企業は、当該違法行為により生じた損害について、裁判上の賠償請求を行うことができます。最善の防御策:予防と助言 違法行為発生後に適用される手段であり、企業がカルテルを当局に通報し協力することで制裁の影響を大幅に軽減できる免責(クレメンシー)プログラムが存在することは別として、潜在的な制裁から自社を守るための適切な手段は、競争法コンプライアンス・プログラムを導入することです。このコンプライアンス・プログラムは、カルテル行為のリスクがある企業のすべての関連部門に対して、完全かつ横断的に実施される必要があります。実施すべき主要な措置は以下の通りです:従業員へのリスクや警告サインに関する教育 リスク識別システムの構築 特定された状況への対応に関する明確なプロトコルの策定 法的には許容される可能性があるものの、当局による確認の対象となり得る合意の適切な記録ナバロ・リマ法律事務所では、競争法に関する予防的対応から制裁手続における企業防御まで、幅広い経験を有しています。20年以上にわたり、クライアント企業に安全な法的枠組みを確立する支援を効果的に行ってきました。ご相談は info@navarrollimaabogados.com までご連絡ください。 ...

ナバロ・リマ法律事務所では、スペインで不動産を購入することが、単に契約書に署名する以上の意味を持つことを理解しています。予期せぬトラブルを避けるための重要な要素の一つが登記制度であり、国内外の購入者にとって不可欠なツールです。 スペインの登記制度の特徴に関する別の記事に加え、今回はその機能について詳しく説明したいと思います。ここでは、スペインで不動産を購入する際や、各種不動産投資を行う際に、登記制度がどれほど重要であるかに焦点を当てます。スペインの登記制度とは何ですか? この登記制度は、公的機関であり、主に不動産に関する実物権に影響を与える各種行為や契約の登記・記録を行うことを目的としています。対象となる不動産には、住宅や農地、ガレージや倉庫など、あらゆる種類の不動産が含まれます。この登記制度は、物件の基本情報を集約していると言えます。不動産や実物権の所有者だけでなく、これらの不動産に関連する法的取引を行おうとする第三者にとっても、公的情報の保証機能を果たします。 1. スペインで不動産を取得する際に役立つ登記制度の情報 登記制度には、スペインの不動産に関連する法的取引を行おうとする第三者にとって特に有用な一連の情報が記録されています。その内容には、以下のものが含まれます:不動産の識別情報(物件番号(nº de finca)や唯一登記コード(Código Registral Único)など) 不動産の詳細情報(性質、境界線、面積などに関するデータ) 不動産にかかる権利負担(例:所有者が設定した抵当権、執行手続きに基づく差押え、税務上の制約など) 不動産所有者の情報(権利の種類や取得日を含む)およびその他の実物権の情報これらすべての情報は、例えば適切なデューデリジェンスを行う際に特に重要となります。2. 登記制度の実務上の活用方法とは? スペインで住宅やその他の不動産を購入する際、登記制度はリスクを軽減し、正しい判断を下すために常に考慮すべき重要な要素となります。特に国際的な投資の場合、購入者が当事務所に取得手続きを委任していることが多く、対象不動産の現地状況を直接確認できないこともあります。そのような場合でも、登記制度は常に重要な役割を果たします。 取引前の段階 まず第一に、いかなる書類への署名や金銭の支払いを行う前に、登記制度から物件の**簡易登記事項証明書(nota simple)**を取得することが重要です。これにより、名義人が本当に所有者であるか、また未申告の権利負担が存在しないかを確認することができます。その上で、売主に説明を求め、以下のような対応を検討することが可能です:価格を交渉して引き下げる 交渉において追加の保証を要求する 取引を撤回するこの点に関して、注意すべきことは、不動産取得に向けたデューデリジェンスの過程で、登記制度は考慮すべき重要な要素の一つであるものの、それだけでは十分ではないということです。取引のリスクを確認・軽減するためには、さらに追加の手続きや調査が必要となります。 取引時の段階 適切なデューデリジェンスを実施し、価格および取得契約の各条項を交渉した後は、通常、公証人が再度登記情報を確認し、購入対象物件に新たな権利負担や取引を妨げるような状況が発生していないことを確認します。 取引後の段階 売買契約書が作成されると、それは登記制度に提出されます。登記制度では、所有権の変更など、さまざまな事項が記録されます。このように、登記制度は取得プロセス全体をサポートし、最初の事前確認から取得権利の最終的な確定までを通じて重要な役割を果たします。3. 不動産取得における登記制度の有用性と限界 ご覧の通り、登記制度は不動産の法的状況を把握し、リスクを軽減するための重要なツールです。しかし、明確な限界も存在し、登記情報の確認だけでは取引が完全に安全であることは保証されません。登記制度からは、不動産の物理的な状況に関する情報は得られません。例えば:改修が必要かどうか 電気・水道設備の状態 都市計画上の状況 無断居住者や未登録の賃借人の有無そのため、責任ある不動産取得を行うには、登記情報の確認に加えて、以下のような追加の調査を行うことが必要です:**地籍台帳(カタストロ)**の確認、図面の確認、都市計画の分析、管理組合の状況確認、技術的な現地調査など。これらの手法を統合して初めて、スペインでの不動産投資を適切に実施し、リスクを最小限に抑えることが可能となります。ナバロ・リマ法律事務所では、スペインの不動産取得に特化したプラットフォームを提供しており、お客様のプロジェクトが迅速かつ快適に、そして確実に完了するよう、すべての手続きを責任を持って行います。ご相談は info@navarrollimaabogados.com までお気軽にお問い合わせください。...

以前の投稿において、当事務所では株主間契約、とりわけパートナーシップ契約およびファミリー契約について解説しました。これらの契約において最も重要な要素の一つが、株主の退出に関する規定です。特にスタートアップのエコシステムでは、創業者、投資家、主要従業員が共存しており、当初は一致している利害関係が将来的に対立する可能性があります。 実務上、多くのプロジェクトは製品や市場の問題ではなく、不十分な会社設計に起因する内部紛争によって失敗しています。このような文脈において、ドラッグ・アロング条項、タグ・アロング条項、グッドリーバー条項、バッドリーバー条項は特に重要な役割を果たします。これらは、適切に設計されていれば、行き詰まりや株主間紛争、重要局面での企業価値の毀損を防ぐ保護メカニズムです。1. ドラッグ・アロング条項およびタグ・アロング条項:株主の集団的退出 ドラッグ・アロング条項 「引きずり(drag)」を意味し、多数株主を保護するための仕組みです。会社の買収提案があった場合、一定割合以上の株式を保有する株主が、他の株主に対して同一条件で株式を売却することを強制できる条項です。これにより、少数株主が取引を阻止することを防ぎます。 この場合、全株主が会社全体を譲渡する義務を負うため、買主にとって取引が容易になり、企業価値の最大化につながります。 実務上は、最低持株比率の設定、売却価格の算定方法、売却株主と直接・間接に関連する者を買主から除外することなどを検討する必要があります。タグ・アロング条項 ドラッグ・アロングとは異なり、タグ・アロング条項は売却を強制するものではなく、多数株主が第三者へ持分を譲渡する際に、少数株主が同一条件で売却に参加する権利を認めるものです。これにより、少数株主が望まない新たな株主と会社に取り残されることを防ぎます。 実務上は、売買条件の開示や、買主が当初提示された株式数以上を取得しない場合の按分方法などを定める必要があります。 従来、これらの条項は主に株主間契約に規定され、定款への組み込みについては議論がありました。しかし現在では、適切な起草と構成により、定款に含めることも可能とされています。例えば、2016年5月20日付スペイン登記・公証総局決議は、一定の構成を有するタグ・アロング条項の登記可能性を認めています。事例 スタートアップXYZの株主構成は以下のとおりです。株主A:40%株主B:55%株主C:5%ドラッグ・アロングの場合:投資グループが会社の100%取得を提案。AとBは売却に同意するが、Cは反対。この場合、AとBはドラッグ・アロング権を行使し、Cに同一条件での売却を強制できます。タグ・アロングの場合:別のケースとして、Aが引退のため第三者へ持分を売却する場合、Cはタグ・アロング権を行使し、当初は退出の意思がなくても、Aとともに合計45%を売却できます。2. グッドリーバー条項およびバッドリーバー条項 M&A取引に伴う退出とは別に、スタートアップでは創業者や従業員株主などの主要株主の退出理由に応じた規律も重要です。グッドリーバー条項およびバッドリーバー条項は、退出そのものだけでなく、株式譲渡価格も定めます。 グッドリーバー 定年、障害、死亡、不当解雇、または合意された最低在籍期間の満了など、正当な理由により退社する株主を指します。この場合、誠実に行動したと評価され、市場価格または有利な条件で株式を譲渡する権利が認められます。 バッドリーバー これに対し、正当解雇、定款や株主間契約の重大違反、不誠実行為など、会社に不利益を与える理由で退出する株主を指します。この場合、額面価格や大幅な割引価格での譲渡など、ペナルティが課されるのが一般的です。したがって、各事業の実情に応じた詳細かつ明確な定義が不可欠です。曖昧な規定は株式評価をめぐる重大な紛争を引き起こす可能性があります。また、株主間契約と定款の不整合や、定期的な見直しの欠如も同様の問題を招きます。これらの条項は、会社設立時または初期段階で定めることを推奨します。ドラッグ・アロング、タグ・アロング、グッドリーバー、バッドリーバー条項は単なる形式的規定ではなく、投資誘致能力、将来の売却可能性、そしてスタートアップの安定性を左右する重要な戦略的ツールです。スタートアップの設立、投資家の受け入れ、または会社構造の見直しをご検討の際は、専門的な法的アドバイスを受けることが、企業価値の保護と成長の確保につながります。Navarro Llima Abogadosは20年以上にわたり、クライアント企業に法的安定性の枠組みを提供してまいりました。ぜひ info@navarrollimaabogados.com までご連絡ください。...