スペインの行政に対する国家賠償とは スペインにおける行政機関に対する国家賠償(スペイン法上のresponsabilidad patrimonial de la Administración、すなわち「行政の財産的責任」)は、公権力の行使において行政機関が行った活動の結果として、私人がその財産または権利において被った損害を賠償することを目的とする法的制度です。その憲法上の根拠は、スペイン憲法第106条第2項に置かれており、同条は次のように定めています。「私人は、法律の定めるところにより、その財産または権利において被ったあらゆる損害について賠償を受ける権利を有する。ただし、不可抗力の場合を除き、当該損害が公共サービスの運営の結果であることを要する。」この制度の主な特徴の一つは、直接かつ無過失の責任であるという点です。直接責任であるとは、当該行為に関与した公務員や職員ではなく、行政機関自体が責任を負うことを意味します。 無過失責任であるとは、少なくとも理論上は、行政の故意または過失を立証する必要はなく、私人が法的に受忍する義務のない違法な損害の存在を立証すれば足りることを意味します。スペイン法における根拠法令 主たる規定は、公共部門法的制度法(Ley 40/2015)および行政機関共通行政手続法(Ley 39/2015)に置かれており、これらの法律は責任を追及するための実体的要件と、これに従うべき行政手続の双方を定めています。したがって、これらの規定および関連する判例によれば、すべての損害が当然に賠償請求権を生じさせるわけではなく、この種の請求が認容されるための要件は、判例上、精緻に画定されてきました。 スペインで国家賠償が認められる場合 本責任の客観的性質から、行政は、行政機能に属するあらゆる行為、運営、活動について責任を負うのみならず、不作為または懈怠によって生じた損害についても責任を負います。すなわち、具体的な行政上の決定のみならず、不作為、不当な遅延、サービス提供の不備、または作為義務があったにもかかわらず措置を講じなかったことについても責任を負うのです。もっとも、賠償請求権が発生するためには、損害が以下の要件を充たすことが不可欠です。 違法性 被害者は、法的に受忍する義務のない損害を被ったものでなければなりません。損害の違法性は、主観的観点ではなく客観的観点から判断されます。すなわち、当該私人が法秩序上、その損害を引き受ける義務を負っていたか否かが基準となります。 個別性 損害は個別化されたものでなければなりません。すなわち、損害は特定の個人または特定の集団に及ぶものでなければならず、共同体全般に無差別に影響を及ぼす一般的な不利益や不便では足りません。したがって、請求者に対する特定可能かつ具体的な影響が要求されます。 現実性 損害は現実のものでなければならず、これは公共部門法的制度法第32条第2項が定めるところです。「いかなる場合においても、主張される損害は現実のものでなければならない」。これは、損害が現実かつ実在のものでなければならないことを意味し、単に仮定的、偶発的、または不確実な将来の損害は除外されます。ただし、判例上、将来の損害についても、その発生および額の算定について絶対的な確実性がある場合には、賠償が認められます。 金銭的評価可能性 損害は金銭的に評価可能でなければなりません。これは財産的損害の場合により明確に当てはまりますが、人身損害や精神的損害が除外されることを意味するものではありません。なお、国家賠償責任が認められない場合も存在します。その代表的なものが不可抗力であり、これは行政の活動領域外にある予見不可能かつ回避不可能な事象を指します。また、本質的要件である因果関係を立証できない場合にも責任は否定されます。 スペインの行政に対する請求手続請求期間 国家賠償の請求期間は、1年です。原則として、当該期間は、損害事実の発生時または損害結果が顕在化した時から起算されます。身体的または精神的損害の場合、当該期間は、後遺症の治癒または症状固定の時から起算されます。ただし、請求が行政上または行政訴訟上における行政行為または一般的処分の取消に由来する場合、1年の期間は、対応する決定または判決の通知時から起算されます。 請求の提出 請求は、電子的方法によっても行うことができ、損害について責任を負う行政機関(国、自治州または地方公共団体のいずれであるかを問わない)に対して行わなければなりません。申請書には、以下の事項を記載する必要があります。請求者の特定。 事実の詳細な記述。 被った損害の立証(診断書、請求書、鑑定書等)。 請求賠償額の算定。 責任の根拠となる適用法令の主張。複数の行政機関が関与する場合には、責任の分配および一定の場合における連帯責任に関する公共部門法的制度法第33条の規定が適用されます。 決定期間 請求が提出されると、行政は、原則として6か月以内に決定を下さなければなりません。当該期間内に明示的な決定がなされなかった場合、当該請求は行政上の黙示的拒否とみなされ、任意的な再考申立てまたは行政訴訟による直接的な救済の道が開かれます。 当事務所がサポートいたします 国家賠償に関する請求は、技術的および立証上、高度な複雑性を有するのが通常です。そのため、事案の見込みについて入念な事前分析を行い、手続の当初から適切な法的戦略を構築することが不可欠です。スペインの行政機関の行為の結果として損害を被られた場合は、ナバロ・ジマ法律事務所が、ご請求の見込みの分析から、行政手続および行政訴訟を通じた手続全体の遂行に至るまで、法に基づき最大限の賠償を獲得することを目指してサポートいたします。...