
23 1月 スペインに設立された企業に課される商法上の義務および基本的コンプライアンス
スペインに設立された企業、主として有限会社および株式会社は、原則として、商法上の義務および基本的なコンプライアンス義務を遵守しなければなりません。これらの義務は主に、会計義務に関する公示および登記に関するものであり、財務諸表ならびにスペイン法令により提出が求められるその他の書類が含まれます。これらの書類一式は、総称して「Cuentas Anuales(年次財務諸表)」と呼ばれます。
したがって、すべての有限会社および株式会社は、各会計年度ごとにこれらの年次財務諸表を作成し、提出する義務を負っていることを明確にしておく必要があります。この義務は、会社の経営・管理機関(取締役会、単独管理者、または連帯もしくは共同管理者)にのみ課されるものではなく、社員または株主の総会にも及ぶものです。これらの義務の一部は、資本会社法(Ley de Sociedades de Capital)の統合本文を承認する2010年7月2日付の勅令法第1/2010号に規定されています。
1. 年次財務諸表の作成(策定)
年次財務諸表の作成は、会社の経営執行機関および管理機関(取締役会等)が、会計年度の終了日から起算して3か月以内に行わなければならない商法上の義務です。
このため、原則としてスペインの会社は会計年度を12月31日に終了することから、年次財務諸表の作成期限は翌年3月31日となります。
同様に、通常3月31日をもって会計年度を終了する日本の子会社についても、6月30日までに年次財務諸表を作成する義務があります。
2.年次財務諸表の承認
年次財務諸表が作成されると、暫定的に締められ、承認する総会の開催日の少なくとも15日前、または開催日の1か月前までに、総会構成員へ送付されなければなりません。
この総会は、会計年度終了日から6か月以内に毎年開催されなければなりません。
したがって、一般的にスペインの会社は、総会開催の期限を6月30日としていることが多く、通常3月31日に会計年度を終了する日本の子会社の場合は、期限が9月30日となります。
そして、総会で年次財務諸表が承認された後、1か月以内に商業登記所(Registro Mercantil)に提出しなければなりません。

3. 年次財務諸表を構成する書類
年次財務諸表を構成する書類は以下のとおりです:
- 貸借対照表
- 損益計算書
- 自己資本変動計算書
- キャッシュ・フロー計算書
- 注記(財務諸表附属明細書)
- 監査報告書
ただし、すべての会社がこれらの書類すべてを提出する義務を負うわけではありません。提出すべき書類は、主に会社の規模に応じて、一部のみ、またはすべてとなります。
なお、議事録についても言及する必要があります。年次財務諸表の作成は、対応する議事録に記載されなければならず、当該議事録は会社の議事録簿に記録される必要があります。
取締役または(その職務が商業登記簿に登録されている限り)他の権限を有する者は、議事録簿の内容を証明する証明書を発行することができ、この証明書は、第2項で述べた年次財務諸表の商業登記所への提出時にあわせて提出しなければなりません。
4. 議事録の作成は誰が証明する?
経営陣が取締役会の形態をとっている場合、この証明を行うのは取締役会の書記が担当します。
また、取締役会の執行メンバーではない非取締役書記も、議事録や証明書を作成・署名する権限を持つことに触れておく必要があります。
経営陣が取締役会の形態をとっている場合、この証明を行うのは取締役会の書記が担当します。
また、取締役会の執行メンバーではない非取締役書記も、議事録や証明書を作成・署名する権限を持つことに触れておく必要があります。
ナバロ・ジマ法律事務所(Navarro Llima Abogados S.L.)では、25年以上にわたり複数の会社の非取締役書記を務め、これらの手続きを管理してきました。議事録や証明書はスペイン語・英語・日本語で作成し、現地取締役や親会社の国際責任者の完全な把握のもとで、企業の法的義務が正しく履行されるよう対応しています。
このサービスを提供する理由は、これらの義務を怠ると特定の罰則が科される可能性があるだけでなく、金融機関などに対する企業の信用や資金調達力に影響を及ぼす重要な問題となるためです。法律で定められた期限と形式での履行が非常に重要です。
したがって、疑問がある場合やアドバイスが必要な場合はinfo@navarrollimaabogados.com.までお気軽にご連絡ください。
スペイン商法に関するさまざまなテーマについて、信頼性の高い法的情報を受け取りたい方は、ぜひ当社のニュースレターにもご登録ください。
No Comments